ウルヴァリンの孤独な人生、ローラの生まれながらに殺人兵器として育てられた人生、どちらも歪な人生でした。
お互いがいつしか互いを必要とし、そして成長してゆく。
コメディではありますが、ブルース・ウィリスがワガママなコンサルタントを演じた『キッド』もそうでした。
同作では成功者ながら偏屈な男のまえにかつてのいじめられっこの頃の自分自身が現れます。それはさながら自分を映す鏡のようでもあり、直視できない過去の苦味でもあります。
しかし、お互いが自分自身の中の欠けているものを見つめ、補い、成長していきます。
子供が成長のきっかけになるプロットはありふれてはいますが、絶望の世界を描いた『LOGAN/ローガン』の中ではその意味は限りなく深く重いものだと感じます。
ラストシーンでローラはウルヴァリンの墓の十字架を引き抜き、Xの形に直します。
『X-メン』であることは罪ではない、同じミュータントであるウルヴァリンを讃えるように。