【レビュー】リトル・ミス・サンシャイン

2006年のアメリカ映画。全米の少女たちのミスコン、『リトル・ミス・サンシャイン』に出場する一家の旅を描いた作品です。

「リトル・ミス・サンシャイン」のスタッフ・キャスト

監督
ジョナサン・デイトン
ヴァレリー・ファリス

脚本
マイケル・アーント

製作総指揮
ジェブ・ブロディ
マイケル・ビューグ

出演者
グレッグ・キニア
スティーヴ・カレル
トニ・コレット
ポール・ダノ
アビゲイル・ブレスリン
アラン・アーキン

感想・レビュー

公開当初はわずか7館での上映となりましたが、最終的には1600館まで拡大上映され、など多くの賞を獲得する大ヒット作となりました。

そんな今なお人気の高い『リトル・ミス・サンシャイン』。

バラバラな家族が旅を通してひとつになっていく、そんな様が美しいロード・ムービーです。

憧れのミスコンの映像を食い入るように見つめるオリーブ。人がまばらな会場で必死にスピーチをする、父の、ニーチェに影響され、無言の誓いを貫くパイロット志望の兄、病院へ車を走らせる母、そして彼女の向かう先には自殺未遂した叔父、最後に自室でこっそりヘロイン吸引をする祖父。

それぞれが好きなことをしてバラバラの状態になっているのが今作の主役であるフーヴァー家。唯一母親ののみがそんな家族のまとめ役として悪戦苦闘しています。

そんな中、オリーブに子供たちのミス・コンテスト『リトル・ミス・サンシャイン』の地区予選に繰り上げ当選したと電話が入ります。
決勝の舞台はカリフォルニア。しかし貧しいフーヴァー家には飛行機で向かうお金もない。
それならばということでボロボロの車に家族全員が乗り込んで一路カリフォルニアを目指すことに。

家族の誰もがパッとしない人物というのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の冒頭を思い出させます。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー 』に登場するマクフライ。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマーフィーがタイムスリップする1955年は『古き良きアメリカ』とも言うべき時代ですが、フーヴァー家はあくまでも現在というリアルな時代の中でもがいていきます。

祖父を演じたはコメディらしからぬ冒頭に、脚本の途中までこの作品がコメディだと気づかなかったというエピソードもあります。

『リトル・ミス・サンシャイン』は多くの予算をかけたスーパーヒーローの超大作でも、アメリカン・ドリームを描いたわけでもない本当に低予算の映画です。
『ロッキー』は同じく低予算でありながら大ヒットした作品でしたが、そこには貧しく無名のボクサーが一夜にして栄光をつかむという眩しいばかりの夢に溢れています。

『負け犬とは負けたものではなく、挑戦しなかったやつらのことだ』

しばしば映画の名言として引き合いに出されるこのセリフ。

劇中では、全米大会を勝ち上がる自信のない、オリーブを