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【感想レビュー】アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ (1978)

「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」は1978年に公開されたアメリカのホラーサスペンス映画。

邦題のタイトルがめまぐるしく変わった映画でもあります。

「発情アニマル」→「女の日」→「悪魔のえじき」

主演はカミール・キートン。喜劇役者バスター・キートンの孫という血筋ながら、それを全く感じさせない体当たりの演技を見せてくれています。

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「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」のスタッフ・キャスト

監督・脚本
メイル・ザルチ

製作
ジョセフ・ズビーダ

撮影
ユーリ・ハヴィヴ

音楽
ジャコモ・プッチーニ

出演者
カミール・キートン
エロン・テイバー
アンソニー・ニコルズ
アイザック・アガミ
タミー・ザーチ

「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」のあらすじ

感想・レビュー

映画の内容よりも、日本での当時の売り出し方にツッコミを入れずにはおれない作品。

というのも、公開当時の邦題が『発情アニマル』。

思いっきり底の抜けたポルノ映画のようなタイトルにされてしまいましたが、その次も酷い。

『悪魔のえじき』。

いや、悪魔って誰を指してるんだ?よもやレイプされた女性の方ではないだろうな??

当時のホラー映画に顕著なのですが、『悪魔の~』ってタイトルにつく作品って多かったんですよね。もちろん映画同士は 独立しており、関連性はありませんが。

ちなみに原題の「I Spit on Your Grave」も訳すれば私はあなたの墓に唾を吐くとなかなかスゴイ題名。

さて、以前『ブレイブ・ワン』のレビューをしたときに私刑ってどうなの?と書きましたが、今作の舞台となる田舎町は警察すら上手く機能できていない町。

ここでの恐ろしさは田舎独特の閉塞感と、そこでの人間関係からくる同調圧力の強さ。

もちろんレイプそのものも凄惨なものですが、それを止められない人間関係の構造が個人的には恐ろしいなと思いましたね。

内気だけれども純朴で優しいが、悪友に言われるがままレイプに加わってしまう。そして、悪友から手を切られた後は『お前のせいで友達を失った』とナイフを片手にを殺そうとする。

このことからもの「世界」における友人のウェイトが非常に重いものであるのがわかるかと思います。

さて、この『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』ですが2010年にリメイク版が公開されていて、僕はこっちの方を先に観てるんですが、正直ホラーサスペンスとして観たときにはリメイク版の方が出来がいい。

男たちへの復讐のやりかたも、リメイク版の方がユニークで、『次はどんな風に殺していくのか?』という『アウトレイジ』のような楽しみ方もできます。

ではこのオリジナル版の魅力はどこにあるのでしょうか?

70年代の映画に漂うどことないチープさと今の感覚からみればゆるいテンポ。

それらと極端なまでに正反対なショックシーンとのギャップ。

特にレイプ被害者でありながら徹底的に女という性をエサに復讐を果たしていくという矛盾するような設定も逆にB級感が溢れているように思います。

リメイク版の『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』は徹底的に今の私たちのテンポや刺激に合わせた作品です。

それはより怖く、より凄惨に、よりリズミカルに、と言えなくはないのですが、その一方で数多ある他のホラーと変わらないよね、という見方もできるかと思います。

他の映画だったら『ウィッカーマン』もそうですよね。これも僕はニコラス・ケイジ主演のリメイク作の方から観ましたが、やはりリメイク版はカルト映画の座には及ばない、凡百のサスペンス映画になってしまっていました。

オリジナルは牧歌的な島民の雰囲気とセクシャルな風習のギャップがカルト映画として高く評価されたポイントだったのですが。。