「アイ・アム・キューブリック!」は2006年に公開されたイギリス・フランス合作のコメディ映画。(日本では劇場未公開)
名監督スタンリー・キューブリックの名をかたって詐欺行為を働いたアラン・コンウェイの事件を基にしています。
この記事のコンテンツの目次を見る
「アイ・アム・キューブリック!」のスタッフ・キャスト
監督
ブライアン・クック
脚本
アンソニー・フルーウィン
製作
マイケル・フィッツジェラルド
ブライアン・クック
製作総指揮
リュック・ベッソン
ピエランジュ・ル・ポギャム
スティーヴ・クリスチャン
ドナルド・A・スター
ダニエル・J・B・テイラー
コリン・リーヴェンタール
音楽
ブライアン・アダムス
出演者
ジョン・マルコヴィッチ
「アイ・アム・キューブリック!」のあらすじ
1990年代のイギリス。詐欺師のアランは、有名な映画監督スタンリー・キューブリックになりすまし、自分の次の映画に使ってやるなどと騙して、食事や酒をおごらせ、巧みに金を巻き上げて暮らしていた。元々映画には詳しくないので、キューブリックの映画について問いつめられるとすぐにボロが出るのだが、それでも騙された方が恥と感じて訴え出ることがほとんどなかったため、アランの詐欺行為は徐々にエスカレートして行く。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF!
アイ・アム・キューブリック! – Wikipedia
感想・レビュー
もう爆笑!
ジョン・マルコヴィッチがスタンリー・キューブリック(を騙っている詐欺師)時点で笑ってしまいますね。
ジョン・マルコヴィッチ、スタンリー・キューブリックに全く似ていないし(笑)
「エレファント・マン」に出てたアンソニー・ホプキンスのほうが似てる(笑)。
ジョン・マルコヴィッチが演じるのは、正確にはアラン・コンウェイという男。
この男も、この一連の詐欺も実在の人物であり、実在の事件です。
その上、その実はスタンリー・キューブリックにあまり詳しくなく、しかもゲイという、またキョーレツな役柄。
本編開始10分で網タイツ姿で誘惑してくるジョン・マルコヴィッチが拝めます。
スタンリー・キューブリックに詳しくない(というか映画にも詳しくない)はカーク・ダグラスすらロクに知らず、キューブリックの監督作品も把握していません。
行く先々で適当な次回作のタイトルと主演俳優をでっちあげ。
一種のメタ演出ですが、次回作の主演を「ジョン・マルコヴィッチにする」と相手に伝えると、一様に「それ、誰だっけ?」との反応が。
「マルコヴィッチの穴」でも、 まるっきり周囲の人に名前が認知されていなかったジョン・マルコヴィッチ。
今作「アイ・アム・キューブリック」でも相変わらずイマイチ認知されていないのには思わず苦笑。
「RED」にも出演した今ならもう少し知名度も上がっているかも(笑)。
アラン・コンウェイは逮捕されるものの、精神病を装い、起訴を免れます。
担当医を騙し、最終的にはセレブ御用達のアルコール中毒用リハビリ施設に入所。
そのときの何とも満足感に満ちた表情と言ったらありません。
アラン・コンウェイにとっては、詐欺は金を得るのと同じくらい、本当の自分から目をそらし、著名人を騙ることで虚栄心を満たせる唯一の方法でもあったのでしょう。
こちらも実在の詐欺師フランク・アバグネイルを描いた作品「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」でも同様にアバグネイルは逮捕されてなお、パイロットになりすまし、退屈な日常からの脱却を図るのです。
「アイ・アム・キューブリック」でも、セレブな環境に合法的に身をおくことはある意味ではアラン・コンウェイの願いは叶ったと言えます。
ちなみにこの映画、おそらくスタンリー・キューブリックとその作品をある程度(「時計じかけのオレンジ」と「2001年宇宙の旅」くらいは)観ていないと多分あまり面白くないと思います。
映画音楽はそれらの映画のBGMが使われ、映像の面でも自身の正体がアラン・コンウェイだとバレて海に落とされるカットは『時計じかけのオレンジ』そっくりです。