「ラブリーボーン」は2010年に公開された「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンが監督を務めた作品。
主演に「レディ・バード」のシアーシャ・ローナン、その父親役をマーク・ウォールバーグが演じています。
この記事のコンテンツの目次を見る
「ラブリーボーン」のスタッフ・キャスト
監督
ピーター・ジャクソン
脚本
フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウエン
ピーター・ジャクソン
製作
キャロリン・カニンガム
フラン・ウォルシュ
ピーター・ジャクソン
エイメ・ペロンネ
音楽
ブライアン・イーノ
製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ
テッサ・ロス
ケン・カミンズ
ジェームズ・ウィルソン
出演者
シアーシャ・ローナン
マーク・ウォールバーグ
「ラブリーボーン」のあらすじ
1973年、雪の降る12月のある日のことだった。14歳のスージー・サーモン(魚の「サーモン」みたいな名前と彼女は言っていた)は学校から家に帰る途中、トウモロコシ畑の中に穴を掘って作った地下の隠れ家に誘い込まれた。そこで彼女は残忍にも殺害されてしまう。連続殺人の新たな犠牲者となったスージーは、その男を知っていた。それは近所に住む男、ハーベイだった。スージーは、天国から家族や友人、そして犯人の人生を見届ける。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%B3
ラブリーボーン – Wikipedia
感想・レビュー
アイデアがスゴい
主人公の女の子が殺されてから物語が動き出す。正直、最初に観たときはそのアイデアに脱帽しました。
しかし、まぁ観たら観たで泣ける映画なんですよね。
天国と、現世の狭間で
大切な人を亡くしたときの悲しみをいつまでも引きずっていると
『そんなにいつまでも悲しんでいたら亡くなった人が悲しむよ』
とかっていう慰めの言葉、映画やドラマで一度は耳にしたことがあると思います。
今作ではそれを視覚的に表現。
マーク・ウォールバーグ演じるお父さんの趣味がボトルシップ(飲み終わった酒瓶のなかで船の模型を組み立てるやつ。こち亀で両さんも作ってた)ですが、劇中、娘をなくした悲しみと、犯人が捕まらない苛立ちから作りためたボトルシップを次々に壊していくシーンがあります。
天国と現世の狭間(便宜上、あの世と呼ぶことにします)にいるスージーの世界にも割れたボトルの船が漂流してきます。
その船の様子から父のことを慮るスージー。
スージーが望むのは復讐ではなく、残された家族の平穏。もちろんそれを美談と呼んでしまえばそれまででしょうが、やはりこうした美しい物語に触れるのもとても大事なことだと思います。
ちなみに僕は見終わってしばらくの期間、このお父さんがマーク・ウォールバーグだとは気づきませんでした。パブリックイメージとしては、ヒロイックであまり穏やかというイメージはない俳優さんかもしれませんが、この父親役は正に新境地と言えるのではないでしょうか?
キス
様々なキスシーンは映画にあれど、これほど思いの詰まったキスシーンは他に知らないですね。ちょっとあえて自分の立ち位置(30代、男)を無視して言わせていただくと、やはりこの14歳くらいの年齢ってキスひとつにしても理想とか、憧れとか、甘酸っぱいという言葉では言い表せないような若さゆえの独特の思い入れというか感情があると思うんですよね。
(↑本当に僕の立ち位置は忘れて読んでくださいね笑)
ファンタジーです。
もし、この映画がサスペンスだったら、スージーは復讐を望み、図らずも父親はその想いを感じて犯人を探しだし、その手にかけるでしょう。そして私たちはその結果にカタルシスを感じるかもしれません。
しかし、前述の通り、その作品はあくまでファンタジー。スージーは復讐に駆り立てられる父親を心配し、また復讐は望まず、あくまで家族と思う相手の幸せを祈ります。
もちろん美しすぎる話ではあるんですよ。
でもその美しさがどうしても涙を誘うんですよね。。大好きな作品です。