「本能寺ホテル」は2017年に公開された綾瀬はるか・堤真一共演の歴史SF映画です。
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「本能寺ホテル」のスタッフ・キャスト
監督
鈴木雅之
脚本
相沢友子
製作
小川晋一
市川南
堀義貴
ナレーター
中井貴一
出演者
綾瀬はるか
堤真一
「本能寺ホテル」のあらすじ
倉本繭子は勤めていた会社が倒産し、あてのない生活を送っていた。そんなある日、繭子はかねてから交際している吉岡恭一からプロポーズされ、流されるままに婚約する。
繭子は恭一の両親の金婚式の祝賀パーティーに出席するため一足先に京都を訪れる。しかし、予約していたホテルは手違いで泊まることができず、途方に暮れながら街をさまよった繭子は、路地裏にひっそりと佇む“本能寺ホテル”なるホテルに辿り着く。出迎えた支配人に導かれるように中に入り、エレベーターに乗った繭子は不思議な世界へと迷い込む。
気が付くと、繭子は戦国時代の京にタイムスリップしていた。しかも、彼女の前に現れたのは、天下統一を目前にした織田信長であった。繭子は訳の分からないまま、“本能寺ホテル”と戦国時代の京を行き来しながら、信長とその小姓・森蘭丸との交流を深めるうち、次第に信長の人間性に惹かれていく。
しかしやがて、繭子は迷い込んだその日が、1582年、信長の命運を決める本能寺の変が起きる前日であることに気付く。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E8%83%BD%E5%AF%BA%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB
本能寺ホテル – Wikipedia
感想・レビュー
同じようなキャストで同じような歴史関連で同じフジテレビが製作した『プリンセス・トヨトミ』。
なぜここまで既知感のあるキャストとテーマでまた時代物を映画化するのかさっぱり理解できませんが、それでもこのプロットは面白そう!と借りてきた僕が一番悪いのかもしれませんね。もちろんフジテレビ製作ということで、一抹の不安はありましたが。。
さて、作品冒頭にも述べられている通り、実は本能寺の変って謎が多いんですよ。
もちろん信長を討ったのは明智光秀に違いないのですが、その動機すら大きな謎のままになっています。
『本能寺ホテル』ではその謎をエンターテインメントで上手い具合に穴埋めしてくれるのか?と期待してたんですが。。。
説明口調のセリフが鼻に付く・・・
常識的に考えて、初対面の人に聞かれてもいない恋人との結婚の話とかするはずがないじゃないですか。それもいきなり「恭一君が~」とか、自分にしかわからない名前をいきなり出すのは普通の会話としてもありえないですよね。
観客に繭子の状況を説明するためのセリフなのですが、正直めちゃくちゃそれが鼻につくんです。
フジテレビのコメディ映画の悪いところってそこで、いつまでもバラエティの感覚が抜けきれないのか、分かりやすくしよう、すべてセリフ(とかテロップ)で伝えてあげよう、という考えが透けて見えるんですね。
もちろんそれが必要な場合もあります。
(一例として、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』は説明を省きすぎたために、難解な映画の代名詞のようになってしまいました。)
しかし、何でもかんでも説明するというのはあまりに芸がない。何よりリアリティに欠けるので醒めてしまうんです。
コメディならコメディでもっと『本能寺の変』の謎、明智光秀はなぜ織田信長を襲ったのか?という部分にもっと切り込んでいったほうが面白かったでしょうし、これではただ単に主人公が一人でドタバタしてるようにしか見えないんですよね。
信長らは繭子から明智光秀の謀反を事前に聞いていても悠然と構えている。
繭子の影響ってそんなになかったんじゃないかな?と思うんですね。ただ主人公が騒いでいるだけの印象ですね。
織田信長
ただ、堤真一演じる織田信長は良かったです。もっとシリアスな映画での堤真一の織田信長も観てみたいと思わせますね。織田信長はその破天荒で型にとらわれないイメージがあります。
実際にも黒人の家臣がいたりするなかで、そういう意味では繭子に寛大なのもまぁ不自然ではないのかなという感じですね。
未来からきたという繭子の話に素早く順応していたのもまた信長らしいです。
綾瀬はるかと堤真一、かなり息の合ったコンビだと思います。バラエティやトークで見せる相性の良さは映画でも遺憾なく発揮されていますね。
他にも実際にセットを燃やしたクライマックスシーンなど、観るべきポイントはあるのに、肝心の脚本がダメなんですよね。。