「GODZILLA ゴジラ」は2014年に公開された、SFモンスター映画。
1998年のローランド・エメリッヒ監督版の『GODZILLA』以来、日本の「ゴジラ」映画の2度目のハリウッド実写化作品です。
監督はギャレス・エドワーズ。主演は『キック・アス』のアーロン・テイラー・ジョンソンが務めています。
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「GODZILLA ゴジラ(2014)」のスタッフ・キャスト
監督
ギャレス・エドワーズ
脚本
マックス・ボレンスタイン
フランク・ダラボン
デヴィッド・キャラハム
ドリュー・ピアース
デヴィッド・S・ゴイヤー(ノンクレジット)
原案
デヴィッド・キャラハム(ストーリー)
原作
東宝株式会社
製作総指揮
坂野義光
奥平謙二
アレックス・ガルシア
パトリシア・ウィッチャー
出演者
アーロン・テイラー=ジョンソン
渡辺謙
エリザベス・オルセン
ジュリエット・ビノシュ
サリー・ホーキンス
デヴィッド・ストラザーン
ブライアン・クランストン
「GODZILLA ゴジラ(2014)」のあらすじ
1999年、日本。原子力発電所で働くジョー(ブライアン・クランストン)は、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻サンドラ(ジュリエット・ビノシュ)を亡くしてしまう。それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である、ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、日本で暮らす父を訪ねる。原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする。
出典:https://www.cinematoday.jp/movie/T0011743
GODZILLA ゴジラ (2014) – シネマトゥデイ
感想・レビュー
1998年のローランド・エメリッヒ監督版の『GODZILLA』以来、2度目のハリウッドで映画化作品となります。
さて僕はこの作品、当時映画館で鑑賞したんですが、すごく面白かったですねー!
確か2014年上期はこの作品が興業収入1位だったのではないでしょうか?
非常に日本のゴジラに敬意をもって作られていることがわかりますし、ゴジラと切り離した一本のエンターテイメントとしても本当に面白いです!
監督はギャレス・エドワーズ。
もともとギャレス・エドワーズは幼い頃よりゴジラのファンであったと言います。
好きなものこそ上手なれとは言いますが、これは作品を作る上で本当に大切なこと。
主演はアーロン・テイラー・ジョンソン。『キック・アス』の主人公、デイヴ役で有名ですね。ひ弱なオタクから一変、今作では筋骨粒々の軍人を演じています。
さてギャレス・エドワーズはゴジラを観たことのなかった主役のアーロンに1954年のゴジラ(第一作目のゴジラ)だけ観ればいいと伝えたそうです。
言うまでもなく1954年のゴジラはゴジラシリーズの中でも最もメッセージ性の強い作品です。
『ゴジラ』監督の本多猪四郎は映画を製作するに当たって「真正面から戦争、核兵器の怖ろしさ、愚かさを訴える」ということを大事にしたといいます。
世界で唯一の被爆国である日本。
その想いをギャレス・エドワーズも汲み取ってくれたこと。
『GODZILLA ゴジラ』の映画の中では渡辺謙が原爆が原因で亡くなった父のことを語る場面があります。今作が1954年の『ゴジラ』の精神を引き継いでいることの象徴的なシーンですが、本当はもっと長いシーンの予定だったとのこと。
これだけ見てもギャレス・エドワーズのゴジラへの敬意と親愛が感じられます。
また演出も素晴らしい。
単純なエンターテインメントのモンスター映画として観たとしも間違いなく一級品です。
人間の目線から見た『ゴジラ』。
近づくにつれ、建物全体が揺れる。
『揺れ』でモンスターの恐怖を見事に表していた作品がスティーブン・スピルバーグの『ジュラシック・パーク』です。
ティラノサウルスの迫り来る恐怖を水溜まりの水が揺れて波紋を描く演出で描いています。
揺れに加えてこのゴジラでは当初は体の一部しか見えません。
空港に現れたゴジラですが、人間の目線で見えるのはその脚だけ。
日本のゴジラシリーズはゴジラをこういう形で人間の目線で撮影することはほとんどなかったと思います。
最初からゴジラは上半身をしっかり画面のなかに収められ、言わば『スター俳優』のような撮られ方をしていました。
対してギャレス・エドワーズ版のゴジラは『リアリティ』を追及しています。
そのリアリティとは恐怖です。
もし本当にゴジラが存在したら、私たちの住む街に現れたら、、、。
ギャレス・エドワーズはインタビューの中で、ゴジラ以外はと答えています。
そのリアリティこそ、私たちゴジラファンが長年望んでいたことではないでしょうか。
どうしても『ジュラシック・パーク』公開以後の怪獣映画は見劣りがします。それほどまでに『ジュラシック・パーク』のモンスター映画としての恐怖の演出、リアリティの追及は遥かに抜きん出ていました。