【感想レビュー】ジョンQ-最後の決断-

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ジョンQ -最後の決断- [DVD]

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「ジョンQ-最後の決断-」のスタッフ・キャスト

監督
ニック・カサヴェテス

脚本
ジェームズ・カーンズ

製作
マーク・バーグ
オーレン・クールズ

製作総指揮
マイケル・デ・ルカ
アヴラム・ブッチ・カプラン
リチャード・サパースタイン

出演者
デンゼル・ワシントン
ロバート・デュヴァル
ジェームズ・ウッズ
アン・ヘッシュ
レイ・リオッタ

「ジョンQ-最後の決断-」のあらすじ

イリノイ州シカゴ。ジョンは、妻デニスと9歳になる息子マイクの3人で幸せに暮らしていた。だがある日、マイクが野球の試合中に倒れ、病院に担ぎ込まれる。診断の結果、心臓病を患っており、生き延びる方法は心臓移植しかないと判明する。しかし、リストラで半日勤務となっているジョンの保険は、高額な移植手術に適用されなくなっていた。ジョンは家財道具を売るなど金策に走ったが、病院から無情な退院勧告が出される。我慢の限界に達したジョンは拳銃を持って救急病棟を占拠。医師や患者を人質に、マイクの手術を要求するのだった。

出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=237937
映画 ジョンQ-最後の決断- – allcinema

感想・レビュー

デンゼル・ワシントン主演の映画ってあまり外れがないイメージです。
『フライト』しかり、ただのサスペンス(それでも上質なものが多いですが)に留まらず、実話ではないかと思うほど、社会を深くえぐるような作品がままあるのが僕は気に入っています。
さて、「ジョンQ-最後の決断-」、これも実話ではないですが、アメリカの医療保険制度のあり方に一石を投じる問題作でもあります。

アメリカで高額化してゆく医療費と、それにより、十分な医療が受けられない貧困層の現実を描いています。
皆保険制度のないアメリカでは福利厚生として医療保険を提供することは保険への加入者の大幅な増加を後押ししましたが、その結果として商業的保険会社が医療の分野にまで進出してゆくことにもつながりました。
その結果、負担の平等化である再分配機能は弱まり、弱者にとっては医療保険は高額なものになっていきました。

また、ビジネスが根底にある保険会社の弊害として、グローバリズムの進行による企業競争の激化に伴い、企業経営に占める医療保険費の割合が負担となった時に、現実世界でも映画のジョンと同様にフルタイムからパートタイマーに格下げされ、保険費削減のために保険も変更されるという事態が起きています。

「ジョンQ~最後の決断~」の主人公ジョンに当てはまるのはこの民間医療保険。雇用主である会社が福利厚生(フリンジ・ベネフィット)の一環として提供していた医療保険(雇用主提供医療保険)だということがわかります。それも低価格で問題点の多いHMOでした。
ジョンの息子の心臓病の兆候が健康診断で無視されたのも、民間医療保険のHMOがコスト削減のために余計な検査をさせなかったことがその遠因となっていました。

関連記事:【考察】「ジョンQ」に見るアメリカ医療保険制度の問題点

ジョンはいわゆるブルーカラー(貧しい労働者層)であるがゆえに、十分な医療補助を受けられない、しかしそんな折りに子供に高額な医療費がかかる手術が必要になるー。

北欧の高福祉高負担の社会モデルとは対をなす、アメリカの社会モデル。
その裏で富の有無によって生存権まで脅かされてしまう現実の歪み。

どうしようもなく追い詰められた主人公は病院で人質をとりますが、決して悪人ではないんですよね。その姿は狂気と哀しみを同時に感じさせます。

「ジョンQ-最後の決断-」の名言・名セリフ

「世の中には持つ者と持たざる者がいるんだ。病院でも相手にされる者とされない残念賞組が。25 万ドルを払えない者は大勢いるんだ。そういう者を追い詰めるのは世の中の何かが間違ってるからだ。」

「俺は息子を埋葬しない、息子が俺を埋葬するんだ」

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