【レビュー】「少年メリケンサック」本物のパンクは難しいのか?

少年メリケンサック [Blu-ray]

宮藤官九郎監督第二作目の2009年公開作品。
宮崎あおい、佐藤浩市、ユースケ・サンタマリア共演のパンク・コメディ映画です。
ツアーしてるわけだから一応ロードムービーかな??

キャッチコピーは「好きです! パンク! 嘘です!」

スポンサーリンク

「少年メリケンサック」のスタッフ・キャスト

監督
宮藤官九郎

脚本
宮藤官九郎

製作
岡田真
服部紹男

製作総指揮
黒澤満

出演者
宮崎あおい
佐藤浩市
ユースケ・サンタマリア
木村祐一
田口トモロヲ
三宅弘城
勝地涼

「少年メリケンサック」のあらすじ

レコード会社の新人発掘担当として働くかんな(宮崎あおい)はある日、ネットで絶賛されているパンクバンド「少年メリケンサック」を偶然発見、スカウトのためにメンバーを訪ねます。ところが「少年メリケンサック」は25年前に既に解散しており、当時のメンバーは秋夫(佐藤浩市)をはじめ、現在は人生の落伍者の典型のようなオヤジばかり。

一方少年メリケンサックのネット上での人気は高まるばかりでライブツアーも決まってしまいます。かんなはダメ人間ばかりのバンドを復活させるべくマネージャーとして奮闘することになります。

感想・レビュー

普通に面白い!(よくも悪くも)

クドカン監督作品。良くも悪くも安定してますね。立ち位置として超メジャーなこともあるのでしょうが、一般的に好評だろうなーと思える作品です。

これが三木聡監督とか、ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督ならもう少しマニアックなところに行くんでしょうが。。

パンクという題材

題材的には視覚的には描きやすいと思います。破天荒なパフォーマンスだとか。

デトロイト・メタル・シティがメタルを分かりやすい形で(多少の誤解と誇張は含みつつも)書いてるのと同じ事をこの映画はしてると思うんですよ。

革ジャンにスタッズに、とんがり頭に破れたシャツとか。

でもそれって本当に真実をとらえているのでしょうか?

人気のインディーズ・バンドを見つけた!と思ったら、それが25年前のバンドだった。。。というわけで少年メリケンサックの活動時期は恐らくブルーハーツとかXJAPANがインディーズで活動してた頃。。いわば彼らと同世代だと思うんですね。

その頃のバンドってもちろん素晴らしいバンドもいたのですが、中には表現欲が先走ってとんでもないパフォーマンスのバンドだっていたわけです。

例えば今作で少年メリケンサックのヴォーカル、ジミー役を演じる田口トモロヲもそうです。当時ばちかぶりというバンドでインディーズで活動してた頃の田口トモロヲの伝説にステージの上で炊飯器に◯◯◯した。。という伏字にする他ないエピソードがあります。

※この辺の時代の詳細は大槻ケンヂさんのエッセイを読んでみてください。

パンクに愛情が感じられない!?

今作は普通に面白いんですが、「パンク・ロックに対する愛情がない」と『映画秘宝』のはくさい映画賞で批評されたりしています。

ただ個人的にあまり映画評論って個々人ならまだしも、組織系(ラジー賞や雑誌単位で年間ランキングとかするやつね)ってあまり信用してないんですよね。

例えば普通の人なら目をつぶるか、あまり疑問に思わないようなアバウトさや独特の都合の良さをあげつらって、あたかもそれが映画全体の致命的なミスのように取り扱うみたいな。

今作の『少年メリケンサック』も本当のパンク好きから見たら『それ違うだろ!』とか『なんでAは描いてるのにBは描かないんだ!』みたいな話になるのかもしれません。

前述の僕のツッコミもいわばこの視点に近いですね。

まぁ映画より先に音楽に夢中になった我が人生なのでご容赦ください(笑)

しかし、その一点が真っ黒だからこの映画はダメ!というのは少し違うかなと。

例えば白いTシャツに一滴のシミがあれば、それはもう商品としてはダメになってしまいますが、映画ってそうではないですからね。

ミュージシャンも多数出演

その証拠に、というわけではないですが、下記に挙げるように様々なミュージシャンがこの映画に参加しています。

田口トモロヲ
少年メリケンサックのヴォーカル、ジミー役

ピエール瀧(電気グルーヴ)
元少年アラモードのマネージャー役

峯田和伸(銀杏BOYZ)
若き日のジミー役

チン中村・村井守・安孫子真哉(銀杏BOYZ)
少年アラモード役

星野源・田中馨・伊藤大地(SAKEROCK)
大阪のライヴで少年メリケンサックと対バンしたロックバンドGOAのメンバー役

浜野謙太(SAKEROCK)
警官役

遠藤ミチロウ(元ザ・スターリン)
立ち飲み屋の大将役

日影晃(THE STAR CLUB)
生花店の店員役

仲野茂(元アナーキー)
ガサ入れの警官 役

キワメミチ JUNZØ・昭和過激・ラン坊・なめんなよーかい(JAPAN-狂撃-SPECIAL)
ヤングの不良仲間たち役

UG (ギターウルフ)
ローディ役

おそらくこの人たちは

『好きです!パンク!マジです!』

なんだろうなぁ。。。

スポンサーリンク
スポンサーリンク