【ネタバレ感想レビュー】タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツらはホラーコメディの名作!

「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」は2012年のカナダ・アメリカ合作のホラー・コメディー映画です。

主演はタイラー・ラビンとアラン・テュディック。最高に笑えるホラー・コメディーです。
割と残酷描写もしっかりしていますが、上手くギャグめいたものに見せていますね。

ちなみに余談ですが、主演のアラン・テュディックは「アイ,ロボット」のサニー役も務めているそうです。

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「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」の予告編

「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」のスタッフ・キャスト

監督
イーライ・クレイグ

脚本
イーライ・クレイグ
モーガン・ユルゲンソン

製作
アルバート・クライチャック
ロザンヌ・ミリケン
モーガン・ユルゲンソン
ディーパック・ナヤール

製作総指揮
マーク・ライアン
トーマス・アウグスバーガー

出演者
タイラー・ラビン
アラン・テュディック
カトリーナ・ボウデン



「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」のあらすじ

気のいい中年男2人組・タッカーとデイルは幼なじみの親友同士。こつこつ貯めた金でようやく別荘(古びた山小屋)を手に入れた彼らは、休暇を過ごしにやって来る。ところが見た目が強面なため、近くにキャンプをしに来た大学生グループから、「殺人鬼」だと勘違いされてしまう。実は山荘の立地は、20年前にスプラッター映画のような惨殺事件が起きたいわくつきの場所だった。

一日目の夜、湖でタッカーたちが夜釣りを楽しんでいる傍らで、大学生たちが泳いでいた。ところが、女子大生・アリソンがデイルが思わず発した言葉に驚いて、湖に落ちてしまう。デイルはすぐさま彼女を救い出し、介抱のために別荘へ連れ帰る。その様子を遠くから見ていた仲間たちは、アリソンが殺人鬼にさらわれたと思い込んでしまった。

翌朝、山荘で意識を取り戻したアリソンは、デイルが心優しい親切な男だと知り、自然に打ち解ける。一方、大学生グループはアリソンを「殺人鬼」たちから救い出そうとする。しかし不幸な偶然が重なり、木材粉砕機に巻き込まれたり、枯れ木に串刺しになるなど惨たらしい形で事故死してしまう。その様子を目の当たりにしたタッカーたちは「自分たちが殺したと疑われてしまう」と慌てる。一方、生き残った大学生らは偶然通りかかった保安官に助けを求める。ところが、その保安官までもが勝手に事故死してしまう。

事態を受けた、大学生グループはタッカーたちを完全に殺人鬼とみなし、全面的に戦いを挑む。リーダー格・チャドはデイルの愛犬を「犬質」に取り、タッカーを捕らえた挙句、指を切断してデイルに送りつけるなど、言動が徐々に常軌を逸して行く。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%AB_%E5%8F%B2%E4%B8%8A%E6%9C%80%E6%82%AA%E3%81%AB%E3%83%84%E3%82%A4%E3%81%A6%E3%81%AA%E3%81%84%E3%83%A4%E3%83%84%E3%82%89
タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら – Wikipedia

感想・レビュー

ホラー・コメディ映画の最高峰

ホラーコメディ映画の最高峰ではないかと思います。少なくとも個人的にはそう評価したい、名作ですね。

田舎の あんちゃん二人が何故か殺人犯に勘違いされてしまい、偶然の事故によって次々に人が死んでゆく、ブラック・コメディです。

不謹慎ですが、一人一人死んでいくごとにそのバカバカしさに思わず爆笑モノです。

名作ホラーのオマージュの数々!

冒頭、カメラのモノクロの録画映像で廃墟らしきところにニュースキャスターが入っていきますが、何者かに襲われ、また撮影していたカメラマンも殺害されたところでカメラの映像は途切れています。

ここは2003年公開のホラー映画、『テキサス・チェーンソー』のパロディですね。

その直後、田舎道を頭の悪そうな大学生グループが車で走るシーンに切り替わります。この日はカメラの映像から3日前。この大学生グループに何が起きたかがこの映画のメインストーリーです。

さて、この場面は『テキサス・チェーンソー』のオリジナルである、『悪魔のいけにえ』のオマージュとも言えるでしょう。

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ここで大学生グループは寂れた日用品店に立ち寄るのですが、ここでタッカーとデイルが初登場。

彼らの車の中にチラリと見えるチェーンソーがたまらなく『悪魔のいけにえ』へのリスペクトを感じさせます。

二人はいわゆるブルーカラーで、ホワイトトラッシュ。白人の貧困層で、どちらかというと肉体労働系のお仕事です。

この二人がめちゃくちゃアホなのがこの映画を面白くしてるんですが、湖のある森の中に別荘を購入するんですよね。

不気味な骨や、20年前に起きた猟奇殺人事件の新聞の切り抜きに溢れた部屋の中を見ても、前の持ち主を『ニュースが好きな考古学者』としか思わなかったり、本当に疑うことを知らない善良な小市民なのです。

ちなみにこの森の中の湖とか、この設定はおそらく『13日の金曜日』のオマージュ。

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本当に異常なのはどっち?

一方、大学生も本質的にはアホなんですが、妙に小賢しいというか、思い込みが激しく 、行動が限度を越えてエスカレートしていくんですよね。

タッカーの指を切り落としたりだとか、本当に異常なのは君たちではないのか?と言いたくなるほど。(前述のとおりタッカーとデイルは本当に田舎の気のいい親切な兄ちゃんなんですよ)

ホラー映画のひとつのパターンとして、殺される若者がモラルに欠けた存在である、というのがあります。食人族とかまさに顕著ですが。。

心のどこかで『こいつら殺されても仕方ないな』と思ってしまうからこそ、映画全体を通して、見終わったときにそこまで気分が沈まないというか。

映画によってはカタルシスすら感じるかもしれませんね。

『タッカーとデイル』に登場する大学生はまさにこのパターンの最たるもの。

特にラスボス的な役柄であるチャドは私たちを大いに苛立たせてくれます。

ちなみに原題は『Tucker and Dale vs Evil』でズバリ『タッカーとデイルVS悪魔』でこの解釈もあながち間違ってないことがおわかりいただけるかと。。

以下ネタバレ!

以下ネタバレです

物語は結局チャドがその異常性を暴走させ、ただの殺人鬼へと変貌していきました。

アリソンへの執着が殺意に変わるところなんかはストーカー気質もありそうです。

殺人鬼へと変貌する裏付けとしてはチャド本人の父親が実は猟奇殺人犯だった、という真実が明かされるのですが、親の異常性が子供にも遺伝するという風に断じ切ってよかったのかは少し疑問を感じましたね。

デイルとの戦いの最中、苦手なお茶の葉を振りかけられ、アレルギーでパニックになって階下へ落下。串刺しになって死亡という最期を迎えます。

※余談ですが、デイルがチェーンソーでチャドと戦うのは『悪魔のいけにえ2』を彷彿とさせます。

ただ、冒頭のビデオのシーンを振りかえると、ニュースキャスターを襲い、カメラマンを、殺害したのはチャドだったことがわかります。(コマ送りで観てみて下さい)。

全身を串刺しにされても生き延びていたんですね!

デイルはアリソンと結ばれますが、時系列に沿ってよく観ると、かつての別荘地ではまた惨劇が繰り返されることが示唆される内容なのでした。

下記にあるように、一般的な評価も高い作品なので、是非おすすめです!

「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」の受賞歴

  • SXSW映画祭2010 ミッドナイト部門観客賞
  • 2010年ファンタジア国際映画祭 審査委員賞
  • 2010年FANTASPOA 2010 監督賞
  • 2010年シッチェス・カタロニア国際映画祭 パノラマ部門作品賞
  • 2011年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 観客人気投票1位




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