【映画レビュー】ヒトラーの贋札


ヒトラーの贋札 [DVD]

ナチス政権下で行われた史上最大の紙幣贋造事件「ベルンハルト作戦」を映画化した作品。
第80回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞しています。
ドイツ・オーストリア共同制作の映画です。

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「ヒトラーの贋札」のスタッフ・キャスト

監督
シュテファン・ルツォヴィツキー

脚本
シュテファン・ルツォヴィツキー

原作
アドルフ・ブルガー
『ヒトラーの贋札 悪魔の工房』

製作
ヨーゼフ・アイヒホルツァー
ニーナ・ボールマン
バベット・シュローダー

出演者
カール・マルコヴィックス
アウグスト・ディール
デーフィト・シュトリーゾフ
アウグスト・ツィルナー
マルティン・ブラムバッハ

「ヒトラーの贋札」のあらすじ

感想・レビュー

善と悪が目まぐるしく変わっていく、決して白か黒かで割りきれるものではない、という感想ですね。

少なくとも日曜のよく晴れた朝に観る映画じゃない!という感じです。

最初はヒトラー暗殺計画みたいな作品かな?と思ってたら全然違いましたね。

地味ではありますが、実話をもとにしてる分、ずっしりと重みのある映画です。

善と悪に関しては、実際にあったスタンフォード監獄実験というのがあるんですが、置かれた立場によって善人が悪人になったり、より加虐的になったりということが証明された実験でもあったんです。

(この実験については『wave』ということが映画がモチーフにしてた筈です)

絶対悪として描かれるナチス・ドイツなのですが、この作品ではナチス側にも便宜を図れるような看守がいて、逆に注意を払わなければいけないのは同胞である、囚人側の仲間の男であったり。。

まぁ最終的にはナチス側も裏切ったりしてるんですが。。

主人公もユダヤ人だから投獄してるのではなく、贋札偽造がバレたからという、もともと悪人ではあるんですよね。

映画のラスト、ナチス・ドイツの降伏と連合軍による解放まで描かれます。

ここでそれまでのあらゆる勢力図や価値観が逆転していくのが興味深かったです。

武装して崩壊後の収容所の実権を握った囚人に銃を向けられる主人公たち、また贋札グループのなかで唯一ナチスへの抵抗を唱え続け、仲間の命を危険にさらす危険人物として見られていた男が解放後は一転、抵抗を続けたヒーローとしてもてはやされるなど。。

カメラワークはドキュメンタリータッチでした。ざらざらした画面との相性も荒涼とした時代設定によく合っていたと思います。

タイトルにあるヒトラーは全く出てきませんが、「帰ってきたヒトラー」同様、またドイツの観方が増える作品ではないでしょうか。

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