【ネタバレレビュー】痛快!オーシャンズ8は女性に圧倒される!

「オーシャンズ8」は2018年公開のサスペンス・クライム映画です。

主演はサンドラ・ブロック、共演にケイト・ブランシェット、ヘレナ・ボナムカーター、アン・ハサウェイなど、豪華な布陣です!

「オーシャンズ11」の女性版リメイクであり、また続編にあたる作品でもあります。スマホや3Dプリンターなど、今だからこそできる技術が登場するのも見どころの一つ。

とにかく痛快な今作を今回はネタバレありでレビューします!

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「オーシャンズ8」の予告編

「オーシャンズ8」のスタッフ・キャスト

監督
ゲイリー・ロス

脚本
ゲイリー・ロス

製作
スティーブン・ソダーバーグ
ジョージ・クルーニー

出演者
サンドラ・ブロック
ケイト・ブランシェット
アン・ハサウェイ
ミンディ・カリング
サラ・ポールソン
オークワフィナ
リアーナ
ヘレナ・ボナム=カーター



「オーシャンズ8」のあらすじ

5年8ヶ月の服役の末に刑務所から仮出所したデビー・オーシャン。彼女はあのダニー・オーシャンを兄に持つ、犯罪一家の妹だった。

出所時の刑務官との面接では「二度と犯罪はしない。家族や犯罪者とも縁を切って地味な普通の生活を送りたい」と言っていたデビーだが、出所後すぐに巧みな腕で次々と服飾品を盗み出していった。

そしてデビーは刑務所の中で5年にわたって考えていた計画を実行に移す。

それはファッションの祭典、メットガラでカルティエの1億5千万ドルのネックレスを強奪することだった。

史上最大の強奪計画にあたってデビーは右腕となるルーとともにファッションデザイナーやハッカーなど、計画に必要なメンバーを次々と仲間を見つけていく。

順調に計画を遂行していくデビー達だったが、デビーには宝石強奪にとどまらない、ある復讐計画を企てていた。

感想・レビュー

刑務所のシーンから始まる今作。

まずは出所したサンドラ・ブロック演じるデビーの鮮やかな『盗み』っぷりがみどころ。

そこからケイト・ブランシェット演じる旧知のルーに連絡を取り、史上最大の犯罪計画が始動して行くわけですが、普通に考えてサンドラ・ブロックとケイト・ブランシェット並の美貌の二人が注目を集めないわけはないと思います。。

現実だったら耳をそばだてて二人の会話を聞いてる人もいるだろうな。。

そしてデビーはデザイナーやハッカーなど、計画に必要なメンバーを片っ端から集めていくわけですが、みな犯罪に荷担するというのに、良心の呵責がない!(笑)あっても報酬で簡単に崩れ去る(笑)

あと、5年かけた計画のわりにはメンバーの能力に依存する場合が割と多くて、特にファッションデザイナーのローズ・ワイルの演技力は仮にもうまいとは言えないレベル(笑)。もちろんローズ・ワイルを演じているヘレナ・ボナム=カーターの演技は上手いですが。

まぁ常々言ってるように、エンターテインメント作品に細かいツッコミは野暮ですが、そういうところも含めて軽い気持ちで楽しめる映画作品でした。

アン・ハサウェイ(ここからネタバレあり)

さて、アン・ハサウェイ演じるダフネ・クルーガーが今回のターゲット(実際にはダフネが身につける1億5千万ドルのカルティエのネックレス)。

ワガママハリウッド女優という役柄と、デビーによって鮮やかに騙される役回りはアメリカでのアン・ハサウェイのイメージを投影したものかな?と思います。

かつて『アメリカで最も嫌われている女優』と呼ばれたアン・ハサウェイ。それはアメリカで「ハサヘイター」という言葉まで生み出したほどでした。

どうしてもそのアン・ハサウェイとイメージが被ってしまう、ダフネ・クルーガーという役柄をサラッと引き受けるところに彼女の器の大きさを感じずにはいられません。

(「オーシャンズ8」の宣伝もアン・ハサウェイが一番頑張っているような気がする。。。)

しかし、さすがアン・ハサウェイ。騙されるままでは終わりませんでした。終盤デビーの計画を感づき、一転してくるりとデビーの犯罪計画に荷担してしまうのが印象的でしたね。

もともと表情豊かな女優さんなので、この寝返りによってより、本来の女優役だけでなく、裏切りだとか、騙すことなど、シリアスな側面を含めさまざまな表情を鮮やかに見せてくれます。

ちなみに僕はアン・ハサウェイ好きです。(それもあって今作を劇場鑑賞に選びました!)



ジョージ・クルーニー

11から13までの『オーシャンズ』シリーズが凍結した理由のひとつがジョージ・クルーニーがシリーズから卒業したい旨を表明したからと言われています。

今回女性キャストでリブートしたですが、劇中ではジョージ・クルーニーが演じてきたダニー・オーシャンは故人という設定でした。

しかしながら厳密にいうと『死んだことになっているが、本当に死んでいるかは不明』ということで、カメオ出演でもしていてくれないかなと、エンドロールが終わってもスクリーンを見つめていましたが結局登場せず。。。

うーん、ちょっと残念。

ちなみに、『オーシャンズ8』は『オーシャンズ』シリーズのなかで最高のオープニング成績を収めていて、サンドラ・ブロックは今作が成功すれば、続編として『オーシャンズ9』の可能性もあり得ると発言しています。

ハリウッドと『女優』の問題

昨年、リドリー・スコット監督の『ゲティ家の身代金』で、追加撮影のギャラが男女で1500倍もの格差があったことが問題となりました。
その内容はミシェル・ウィリアムズの追加撮影ギャラが1000ドル以下なのに対して、マーク・ウォールバーグのギャラは150万ドルだったというもの。
(のちにマーク・ウォールバーグは再撮影で得たギャラ150万ドルをTime’s Up運動の基金に寄付することを表明しています)
また役においてもハリウッドの男女間の格差は問題になっています。

南カリフォルニア大学コミュニケーション&ジャーナリズム学部(Annenberg School for Communication & Journalism)は、「トランスフォーマー リベンジ」や「ハリー・ポッターと謎のプリンス」など2009年の興行成績トップ100作品を対象に調査を行った。その結果、セリフのあるキャラクター4342人のうち、女性はわずか32.8%で、男性が67.2%となった。

出典:https://eiga.com/news/20111123/1/
ハリウッド映画の男女不均衡が調査で浮き彫りに : 映画ニュース – 映画.com

これらの不平等や、「Me Too」運動に代表されるセクハラ問題などを是正するTime’s Up運動に現れる、今も変わらない男尊女卑の実態。

そんな中で「オーシャンズ8」が女性のパワーを今一度大きく印象づける作品になったのは確かだと思います。

劇中でタミーを演じたサラ・ポールソンもインタビューで映画の内容について下記のように発言しています。

「これだけの面子が、そろって共演できたということは魔法のように思えるし、ものすごく楽しくて、セクシーな映画ができた。さらに映画の内容は、女性8人みんなで団結して何かを成し遂げる、というものでしょ。そのために友情と、それぞれの持っているスキルを使うわけ。男性に好きになってもらうためにがんばる、という内容ではないところが魅力だと思う」

出典:https://eiga.com/news/20180809/10/
「オーシャンズ8」サンドラ・ブロックが明かす、“兄”ジョージ・クルーニーからのアドバイス : 映画ニュース – 映画.com

確かに劇中の男は罠にハメられたり、マンマと出し抜かれたり、逆に篭絡されたり、カッコ悪い役柄ばかり。

鮮やかに犯罪計画を完成させるスタイリッシュかつスマートなデビー・オーシャン達、女性陣の活躍が光る痛快な作品です。



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