脱力系コメディといえば三木聡監督の右に出る人はいないでしょう。
脱力系名言01.『亀は意外と速く泳ぐ』
「何とかしなくちゃ、何とかしなくちゃ。
一生のうち、ほんとうに何とかしなくちゃいけないときは、そう何度もないのだ。」
平凡な主婦、片倉スズメが何故かスパイになってしまうという三木聡監督の脱力コメディ映画。
このセリフはスズメが幼馴染のクジャクを助けに行くシーンでのセリフ。
脱力系名言02.『転々』
「幸せはきていることに気付かないほどじんわりやってくる
でも、不幸はとてつもなくはっきりやってくる」
これは、、ほんとにそう思ってしまいますね。当たり前の日常を当たり前と思ったら大間違いなんですよね。
脱力系名言03.『図鑑に載ってない虫』
「人間、反省するから年とるんだ」
「体に悪いものほど美味いの!」
三木聡監督作品のなかでもっともカオスな作品のひとつではないでしょうか?
この作品からは二つセレクト。
もっとわがままに、囚われずに生きよう!と気楽に思わせてくれます。
特に後者は現代社会への風刺も感じられて、個人的に好きなセリフです。
脱力系名言04.『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』
「それってさ、やらない理由をみつけてるだけだろう。いるんだよ、やらない理由を見つけるのが上手いやつ。テーマが見つかったら、いい̪詞が書けたら、チャンスがあったら…それって条件が整うまでやらないっていう、やらない理由見つけてるだけなんじゃないの?」
なにかと言い訳をつけて行動しないふうかをシンが叱咤したセリフ。
この映画のテーマは『やらない理由を探すな!』やらない理由を探すふうかのような人、実は多いのではないかと思います。
『やらない理由を探すな』この言葉はもともと三木聡監督の娘さんに向けられたメッセージなのだそう。
破滅「俺たちに法律とか規則とか関係ねぇ!」
シン「その割に曲順、決めてんじゃねーか!」
劇場でも客席から笑いが漏れていたこのシーン。小峠英二さん演じるパンクロッカー、破滅のいかにも!というセリフにシンが至極真っ当なツッコミを入れています。まぁ、たしかに。。。
「ロックの最大の敵はWikipediaじゃねぇのか」
これもシンの台詞。同じく三木聡監督作品の『図鑑に載ってない虫』に「SMの最大の敵は分別かもねぇ。。」という台詞がありましたが、今回はそれのロック ・バージョン。
確かに先回りして答えを調べるのはなんとなくロックじゃないかもなぁ。。
※ちなみにこの時ふうかがWikipediaで調べていたのはウルトラ怪獣のレッド キング。
脱力系名言05.『インスタント沼』
「水道の蛇口をひねれ!」
「いい!?世の中の出来事のほとんどは大したことないし、人間、泣いてる時間より笑ってる時間の方が圧倒的に長いし、信じられないものも見えるし、一晩寝れば大抵のことは忘れられるのよ!とにかく、水道の蛇口をひねれ!そして、その嘘と意地と見栄で塗り固められたしょーもない日常を洗い流すのだー!」
これは、ラストのセリフから拝借しました。ちょっとしたことで物の見えかたは大きく変わりますね。
三木聡監督作品は決して派手でも、万人に受け入れられる作品でもない(ギャグセンスが独特すぎる!)のですが、同じように三木聡作品で光が当てられるのは、マイノリティの「変人」たち。
普通のサラリーマンなんてほとんど出てこない。
かといって、決してカッコいいマイノリティでもないんです。『HERO』の木村拓哉みたいな感じではないんですよ。
それぞれの登場人物はどこかうまくいかない人生、もしくは落伍者のような人生を生きていつつも、それぞれが人生を楽しんでいるのが伝わってきます。
そこにユーモアと、暖かい眼差しを向ける三木聡監督作品。
僕は三木聡監督のファンですから。