「グリーンブック」のあらすじを結末までネタバレで紹介しているので、
まだ見てない人は閲覧注意です!
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「グリーンブック」のネタバレあらすじ
イタリア系の用心棒、トニー。彼は粗雑で荒っぽい性格のため、今までに職を転々としていた。現在用心棒として勤めているクラブも改装になり閉店、仕事のなくなったトニーは妻子を養っていくためにホットドッグ大食いをやったり、質屋を頼るなど金策に走る。
そんな時に、トニーの耳にドクター・シャーリーの運転手という仕事の話が舞い込む。
いざ面接の日、カーネギーホールの上に住んでいるというドクター・シャーリーの部屋に通される。豪華絢爛なシャーリーの部屋に落ち着かないトニーの前にやってきたのは黒人の男。医者の運転手という想像とは違い、ドクター・シャーリーの職業は音楽家。その上仕事内容は2か月間の運転手兼マネージャーともいえる過酷な内容だった。
その内容に週給100ドルではなく、125ドルの給与をトニーは要求する。
しかし、シャーリーは『ご足労だった』というだけで、この仕事は破談になったかと思われた。
ある日、トニーの妻宛に電話がかかってくる。それはシャーリーからで、トニーが二ヶ月間家を空けても大丈夫か、という確認の電話だった。
かくしてトニーは正式に採用され、南部アメリカへ旅へでる。
最初の目的地はピッツバーグ。
車内でも終始うるさくしゃべるトニーと、静かにしたいシャーリーは噛み合わない。トニーはシャーリーが黒人にも関わらず、同じく黒人ポップ歌手であるリトル・リチャードも知らないことに驚きを隠せない。
ホテルに到着したトニーとシャーリー。一段落したトニーの視界に入ってきたのは、誰とも談笑するでもなく、一人孤独に椅子に座っているシャーリーの姿だった。
ピッツバーグで初めてシャーリーの演奏を目の当たりにしたトニーはその才能に驚愕する。そしてその感動を妻のドロレスに手紙で伝えるのだった。
しかし、南部へ行けば行くほど黒人差別は激しくなる。ある街ではトニーとシャーリーは同じホテルには泊まれず、シャーリーは黒人専用の古びたモーテルに泊まる他なかった。
どうにも居心地の悪さに耐えきれなくなったシャーリーはその場を立ち去る。
シャーリーは一人で酒場へ出掛けたが、白人の客によって袋叩きにされていた。駆けつけたトニーによってシャーリーを酒場から連れ出すことに成功。トニーはシャーリーに『これからは一人で外出しないように』と約束させるのだった。
またあるときは客人としてうやうやしく招かれるも、トイレは庭にある掘っ立てた誰も使わないトイレを強要されたり、ジム電話をすることでクロウ法に基づく人種差別に幾度となく不快な思いをさせられるシャーリー。
天才的な能力をもち、かつ人間的にも分かち合えるシャーリーのそんな境遇に、トニーは不満とある疑問を抱く。
なぜシャーリーはわざわざ南部へのツアーを希望したのか?
シャーリーはかって妻もいたが、ピアニストとしての生活と夫婦生活を両立させることができずに離婚。そして兄とも疎遠になっていることが明らかになる。
華々しい生活を送っているように見えたシャーリーの孤独に、トニーはよりシャーリーへの親愛の気持ちが大きくなるのだった。
あるとき、トニーがドロレスに手紙を書いているのを見かける。
『それはツギハギの脅迫状か?』と言われるほど悪筆なトニーの文章だったが、それはシャーリーのアドバイスにより、とてもロマンチックなラブレターへ変貌する。
こうして毎回手紙にはシャーリーの推敲が入るなど、ふたりはお互いを認め会う友人になっていく。
ある街でトニーは地元の仲間に遭遇。イタリア語で会話をするも、博識なシャーリーにはそれが黒人をバカにしたニュアンスのものと、そして金目的ならばもっといい仕事を紹介するという内容であることを見抜く。
しかし、それを伝えてもトニーは『この仕事は辞めない』といって、シャーリーの運転手をつづけるのだった。
順調にツアーは進んでいたが、ある時どしゃ降りの中、トニーは警察に車を止めるように言われる。法律で黒人の夜間外出は禁止という警官の言い分に加え、どしゃ降りの中、シャーリーまで車の外に出るように言ったことと、トニーのイタリア系の血筋をバカにしたことで、トニーは思わず警官を殴ってしまう。
当分は留置場から出られないことを言い渡された二人だったが、シャーリーが司法長官のロバート・ケネディに電話をすることでなんとか窮地を脱し、釈放してもらう。
しかし、その後の車内でシャーリーとトニーの仲違いが起きてしまう。
司法長官に対して下らないことで迷惑をかけてしまったと自らを恥じるシャーリーに対して、それをラッキー程度にしか感じていないトニー。
シャーリーは自身が黒人ということで数えきれない侮蔑にずっと耐えてきていることを挙げ、トニーにも自制を求めるものの、トニーからは、「リトル・リチャードも、フライドチキンも知らないで黒人なのか、じゃあ俺の方がよっぽど黒人だ」と言われてしまう。
たまらず車を降りるシャーリー。
追いかけるトニーにシャーリーは『自分は白人でも、黒人でもない、自分の演奏は上流階級の人々の間で「教養」のひとつとして流行っているだけで、自分そのものが評価されているわけではない』と苦しい胸のうちを吐露する。
旅の最終地はアラバマ。高級ホテルのクリスマスイベントの主役としてVIP待遇で迎え入れられたシャーリーだったが、演奏前に食事を済まそうと向かったホテルのレストランでまたもシャーリーのみが入店を拒否される。
頑なに黒人の入店を拒み、それどころか賄賂まで仕掛け入店を求めるトニーを買収しようとする態度にシャーリーは「レストランで食事をできないなら、演奏も取り止める」と宣言。
ふたりはホテルを後にし、近くのバーへ。
そこでシャーリーがお店のピアノで即興演奏を始めると、バーの客からは握手喝采。ピアノに合わせてダンスを踊るなど、いつもシャーリーの相手にしている客とは全く違う生の反応に、シャーリーの顔にも満面の笑みが溢れるのだった。
その後、トニーの家のあるニューヨークへ戻る二人だったが運悪く天気は豪雪。
さらにまたもパトカーに車を止められてしまう。以前と同じ事態に辟易する二人だったが、警官からは左の車がパンクしているとの注意だけで、しかもタイヤ交換が終わるまで豪雪のなか交通整理までやってくれた。
メリー・クリスマスそういって挨拶を交わし警官と別れる。
そしてニューヨークへついた二人。
ハンドルを握っていたのはシャーリーだった。極度の疲労だったトニーと運転を代わったのだ。
「家へ寄っていかないか」トニーの申し出を断り、自身の運転で帰路につくシャーリー。
部屋の中で孤独に過ごすシャーリーとは対照的に、クリスマスパーティー真っ最中のトニーの家。親族や友人にかこまれての席だったが、トニーは浮かない表情だった。
『ニガーとの旅はどうだった?』と聞かれ、一言『ニガーと呼ぶのはよせ』と答えるトニー。
ドロレスは夫の中から黒人への差別意識が消えていることに微笑みを浮かべる。
そんな中、トニーの玄関からノックの音が。そこに姿を見せたのは質屋のチャーリーと、その後ろで物静かに立っているシャーリーであった。
トニーはシャーリーを喜んで出迎える。
シャーリーの登場に一同はしばし驚くも、すぐさまシャーリーの席が設けられ、歓待を受ける。
ドロレスに『ご主人は帰したよ』と伝えてハグを交わす。
ドロレスはシャーリーの耳元で『手紙をありがとう』と感謝を伝えるのだった。
「グリーンブック」の映画情報
2019年
上映時間
130分
監督
ピーター・ファレリー
脚本
ニック・バレロンガ
ブライアン・ヘインズ・クリー
ピーター・ファレリー
出演者
ヴィゴ・モーテンセン
マハーシャラ・アリ
リンダ・カーデリーニ