【あらすじネタバレ】武士の一分

時は幕末。三村新之丞は藩主の毒見役を務める侍。しかし、毒見役という仕事に対して関心はなく、引退して子供向けの道場でもやろうかと妻の加世に話していた。

ある日三村新之丞は毒見で食べたつぶ貝の毒にあたって失明してしまう。

家禄の存続が危ぶまれる事態となるが、妻の加世が海坂藩番頭の島田藤弥と顔見知りとわかると、三村家の人間たちは家禄の件を取り直してもらうよう、加世に頼み込む。

果たして三村家の家禄は安堵することになったが、その一方で加世と島田が密会しているといううわさが広まる。
中間の徳平に真相を確かめさせた新之丞は加世に事の次第を問いただす。

すると「家禄の保証と引き換えに島田に体を要求された」と答える加世。激怒した新之丞は加世を離縁する。

しかし同僚の加賀山からは「家禄は藩主の温情から与えられたものである」ことを聞かされ、島田が加世を弄ぶために家禄を口実に加世を騙したことを知り、新之丞は自らの「武士の一分」を賭け、島田に果たし合いを挑むことを決意する。

剣術の師・木部孫八郎に入塾してなまっていた剣の腕を磨いていく新之丞。

浜辺の馬小屋に島田を呼び出し、「これは武士の一分だ」と決闘の理由を言い放つ。
「貴様、目が見えるのか」と島田が驚くほどの剣腕となった新之丞だが、島田は強風の音にまぎれて新之丞の前から姿を消し、背後から仕留めようとする←卑怯や。。

島田が斬りかかる刹那、新之丞の刀が島田の左腕を斬る。

「とどめをさすのか」と聞かれた新之丞は「これで加世の仇は討った」と、とどめを刺さずにその場を後にする。

後日、新之亟のもとに、同僚の加賀山から島田が切腹したとの知らせが届く。島田に恨みを持つものは多いが、果たして誰が島田と戦ったのか訝しがる加賀山に新之丞は「さぁのう」とうそぶく。

平穏な生活を取り戻した新之丞だが、加世のいないさみしさが募る。加世を離縁したことに後悔の念を感じていた。そんな新之丞に徳兵衛は飯炊き女でも雇うかというものの、新之亟は気のない返事をしていた。

そんなある日、いつものように徳兵衛と食事をする新之亟だが、味がいつもと違うことに気づく。「これ、おめぇが作ったのか」と問う新之丞に徳兵衛は「連れてきた飯炊き女が作った」と答える。
徳兵衛の静止も聞かず、飯炊き女を連れてこいと命令する新之丞。

飯炊き女の正体は離縁した加世であった。

新之亟は「おめぇの作る煮物の味忘れるわけはねえ」といい、加世と和解。二人は再び共に暮らすことになる。

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