サスペンス映画18.『容疑者Xの献身』
テレビドラマの『ガリレオ』の映画化ですね。
テレビドラマの映画化というと、メインターゲットはやはりドラマの視聴者、ファンだと思いますが、この作品はこれ単体としても成立する、シリアスで重厚なサスペンスに仕上がっています。
この作品で特筆すべきはやはり堤真一でしょうか。
スーツスタイルでもかっこいい俳優なのですが、今作はそれとは真逆の冴えない数学教師。役作りとして頭髪を抜き、猫背になることで、どこから見ても堤真一でありながら、堤真一ではない人物像の構築に成功しています。
稀代の天才でありながら、ただ、愛のためにその才能を犯罪に使わねばならなかった哀しみ。
ミステリーとしての面白さはもちろん、悲恋と自己犠牲の愛を描いたシリアスなラブストーリーの側面もあります。
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