笑える爆笑映画02. 邦画系
ラヂオの時間
もともとは三谷幸喜監督の舞台作として制作されたラヂオの時間。
今作はそれの映画版となります。映画としては三谷幸喜第一回監督作品になります。
俳優たちのわがままで当初のラジオドラマの設定がどんどんかわっていく面白さと、『やりたいこと』と『仕事』の難しさの狭間で揺れるシリアスさ、そしてすべての伏線が回収され、ハッピーエンドへ向かうカタルシスなど、その後の三谷幸喜作品に通じる魅力が満載です。
もとは前述のように舞台作として制作されたものですが、そもそもの着想は三谷監督自身がはじめて連ドラの脚本を手掛けた「振り返ればやつがいる」の脚本を現場で自身の知らない間に書き換えられていたという経験が元になっているそうです。
斉木楠雄のΨ難
もともとは麻生周一氏が週刊少年ジャンプに連載されていた同名のコミックが原作です。
そのため、大人向けとは言えない映画作品ではあるのですが、けれど大人も楽しめる作品に仕上がっています。
とにかく橋本環奈の演技がすごい!
『1000年に一人の美少女』と呼ばれたデビューの頃を思うと、ここまでやって大丈夫なの?!と思うほどの変顔のオンパレード。
キャメロン・ディアスがその美貌の持ち主であっても『メリーに首ったけ』や『クリスティーナの好きなコト』で思いっきり下ネタに挑戦し、コメディエンヌとしての才能を証明したように、橋本環奈も確かなコメディエンヌとしての才能と魅力があるように感じました。
そして、あの腹黒いキャラクターには意外なほど笑わせてもらいました。
こういう非優等生キャラにも果敢に挑戦していくスタイルは素晴らしいですね~!
この『斉木楠雄の災難』はいろんなトラブルの種を楠雄の目線で紹介しつつも文化祭の日の一日を追うだけで、大きなストーリーはありません。ドライブに例えるなら急カーブやいきなりトンネルに入った、みたいなことがないんですよね。
そういった独特のゆるさも僕はこの映画の好きなところです。
クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険
クレヨンしんちゃんの映画シリーズの作目。原作者の臼井義人先生が直接的に映画に関わった最後の作品でもあります。
今作のギャグ映画としての完成度は今でも全く色褪せていません。
初めて観たときにお茶を吹き出してしまってマトモに飲めなかったことを思い出します。
特にジョーカーのカードを持って、塔を目指すしんのすけ一家とそれを追いかける悪役のマカオとジョマのシーンはコメディ映画の名シーンと言ってもいいのではないでしょうか?
クレヨンしんちゃんの名作といえば、「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」や、「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」に代表されるような感動作が取り上げられることが多いのですが、ギャグの名作としてはこの映画は間違いなく最高峰のひとつだと思います。
ステキな金縛り
三谷幸喜監督、法廷ものが好きなことでも知られていますが、今作はまさに法廷もの。
限られた人にしか見えない『幽霊』を題材にした、法廷サスペンス・コメディともいえる作品に仕上がっています。
前回の「マジックアワー」ではシリアスな役柄ゆえに「アドリブ禁止令」がでていた西田敏行さんですが、今作では打って変わって大はしゃぎな幽霊を演じています。
西田敏行さんいわく、戸田恵子さんを本気で笑わせにかかったが、彼女は決して笑わなかった、とのこと。
個人的には生瀬勝久さんとの絡みのシーンが好きです。
生瀬さん演じるタクシードライバーの車に乗せてもらう宝生と落ち武者の更科六兵衛なのですが、ドライバーには宝生しか見えません。
エミは落ち武者の外見についてあらゆることを六兵衛に尋ねますが、くしくも生瀬さん演じるタクシードライバーも落ち武者のような髪型。。。
(ワンナイR×Rの落ち武者コントを想像していただけるとわかりやすいかも。)
生瀬さんはもちろんのこと、阿部寛さんなどコメディもいける俳優さんの共演なのでコメディ作品としてもレベルが高いです。