『シン・ゴジラ』は2016年に公開された日本の特撮映画です。
ギャレス版のゴジラのヒットを受け、企画された12年ぶりのゴジラ。
ここまで期間が空いたのはゴジラ映画史上ないのではないでしょうか。
総監督は『ヱヴァンゲリヲン』ヱヴァンゲリヲンの庵野秀明。興行収入も80億円を突破し、平成シリーズ以降で最高の動員数を記録しています。
また、大人向けのゴジラ映画としても成功しています。
今回はそんな『シン・ゴジラ』のトリビア・裏話をご紹介します。
『シン・ゴジラ』は未来の話
『シン・ゴジラ』に登場する東京の風景には2027年に完成予定の三菱地所のビルが登場します。このことから、『シン・ゴジラ』の舞台は少なくとも2027年以降ということになります。
このビル、ゴジラに破壊されることになるのですが、三菱地所さんは快く建物の完成予想図を提供してくれたそう。
1954年の『ゴジラ』ではゴジラに破壊された和光ビルのために和光本社は激怒し、以後2年間は東宝のロケに一切協力しなかったというエピソードがあります。
それを思えばゴジラ映画に対するイメージも随分変わったなぁと思います。
シン・ゴジラの“形態変化”は、東宝に嫌がられた
庵野秀明監督によると、ゴジラが次々に姿を変えていく形態変化は、ゴジラのイメージを崩すとして東宝サイドからは嫌がられたとのこと。
「形態が変われば、バンダイさんがフィギュアを3種類出せて嬉しいですよ」
などと交渉して、実現にこぎ着けたとのことです。
『シン・ゴジラ』のゴジラの目は人間の目
監督によれば、この世で一番怖い動物の目は人間の目。そのことから『シン・ゴジラ』のゴジラの目は人間の目を強く意識して作られています。
他にも、最強の生物で、脅威に警戒する必要もないことから耳はない、モノは食べない(咀嚼しない)から歯並びを揃える必要がないなど、必然性を帯びたリアリティある造形になっています。
『シン・ゴジラ』のゴジラの動きは能の動き
『シン・ゴジラ』のゴジラの動きは狂言師の野村萬斎氏が演じられています。「シン・ゴジラ」の名前が神(=シン)を連想させるように、野村萬斎氏自身も今作のゴジラを神のような存在として演技されたそうです。
ビデオメッセージを寄せた萬斎は樋口監督から電話でオファーを受けたと明かし、「日本の映画界が誇るゴジラという生物のDNAを私が継承しております。650年以上の狂言のDNAが入ったということを大変うれしく思っております」と歓喜。「今回わざわざ私に白羽の矢を立てていただいたのは、狂言や能の様式美というものを意識されたと思う。無機的な、人間臭いというより神、幽霊、怪物のような侵しがたい存在感を期待されたと思うので、チョロチョロ動くよりどっしり動いた」とこだわりを明かし、「実際にはゴジラの面もつけまして、顎を動かす面の使い方を意識した」と話していた。
最後の尻尾の第五形態は人間型
かなりの議論と考察を呼んだ、ラストショットのゴジラの尻尾。
そこにはよくみると人間の形をした無数の生物がいることがわかります。これは第五形態に進化しようとしていたゴジラの姿。そしてその第五形態は人間型だったのです。第五形態では、ゴジラはゾンビのように無数に増殖して地球を覆いつくすようなイメージがあったそうです。
庵野秀明監督本人も出演している
庵野秀明監督もバスの運転手役で『シン・ゴジラ』の劇中に一瞬カメオ出演しています。