1985年の公開当時全米で大ヒットを記録し、「フューチャー現象」を巻き起こしたほどの名作SF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。
今回はそんな『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から裏話・トリビアをご紹介。
何となく時代を感じさせるような裏話も!
架空の単位「ジゴワット」
タイムスリップに必要な電力の単位ですが、あえて架空の単位にしているわけではなく、これは脚本家の人為的なミスから生まれたものでした。
タイムスリップに必要な電力は1.21ジゴワットと言っているが、これは共同脚本家のボブ・ゲイルのミス。本来 “gigawatt”(ギガワット)と書くべきこの単語の綴りを、ボブは “jigowatt” だと信じ込んでおり脚本にもそう書いてしまった、とDVDのコメンタリで認めている。小説版では正しく「ギガワット」になっている。今でこそ、コンピュータの分野を中心に「ギガ」という単位は広く知られているが、映画製作当時は、まだそのような大きな単位への馴染みが一般には薄かった。
出典:バック・トゥ・ザ・フューチャー – Wikipedia
なお、るろうに剣心で有名な和月伸宏氏の漫画『エンバーミング』でも、人造人間(フランケンシュタイン)の起動に1.21ジゴワットの電力が必要という本作になぞらえた遊び設定があります。
タイムマシン『デロリアン』
今作で一躍有名になった『デロリアン』。
正式名称はDMC-12。デロリアン社が唯一製造した車ということもあって、一般的にはDMC-12=デロリアンとなっています。
しかし、映画の初期構想においてはタイムマシンはデロリアンではなく、冷蔵庫でした。
脚本段階ではタイムマシンにデロリアンではなく冷蔵庫が使用される予定だったとのこと。脚本を書き進めていくうちに、タイムマシンが動けるモビリティ性があるものでないとマーティやドクと冒険できないことに気づき変更されたそうです。また、子どもが映画のまねをして冷蔵庫に入ったら危ない、ということも懸念されました。
出典:「デロリアンではなく冷蔵庫」などファンでもたぶん知らない「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の9つのこと – GIGAZINE
さてこのデロリアン、DMC-12を発売したきりで、当時の社長のジョン・デロリアンがコカイン所持容疑で逮捕されたことで資金が立ち行かなくなり、あえなく倒産(のちに無罪判決)。そのスキャンダラスなエピソードと車自体の希少性で、その人気は今日においても色あせていません。
現在デロリアンの購入はデロリアン・モーター・カンパニーでオーダーできるようです。
GLAYのHISASHIもデロリアン・ファンとして有名です。また著書『間違いだらけのクルマ選び』で有名な自動車評論家の徳大寺有恒氏もジョン・デロリアンを指して「あれほどクルマ作りに情熱を注いだ人もいない」と語っていました。
イライジャ・ウッド
『ロード・オブ・ザ・リング』などで有名なイライジャ・ウッド。彼の映画デビュー作は『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』でした。
同作でカフェ80’sにたむろしてゲームをしている少年の1人が当時6歳のイライジャ・ウッドです。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』というタイトル
今でこそ「このタイトル以外考えられない!」と言うほどぴったりなタイトルですが、当時のユニバーサルの社長シド・シャインバーグは「フューチャー」のつくタイトルの映画は売れないとして、本作を『Spaceman from Pluto(冥王星から来た宇宙人)』というタイトルにしてはどうかと改題を提案しました。
今作はマーティの母親の名前の変更(当時はメグという名前だった)、ドクのペットの変更(猿から犬へ)、ビフの苗字の変更などがシド・シャインバーグの希望で行われていましたが、さすがに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』というタイトルの変更だけは阻止しようとしました。
要求に困った制作陣は製作総指揮のスピルバーグに相談することに。
スピルバーグはシド・シャインバーグに「面白いジョークをありがとう。朝からみんな笑って撮影現場に活気が生まれた」となんとも気の利いた返事をしました。
この機転によって、以降タイトルの変更要求が再度出されることはなかったそうです。