『侍タイムスリッパー』あのセリフはアドリブだった⁉裏話・トリビアまとめ

『侍タイムスリッパー』とは

『侍タイムスリッパー』は2024年に公開された、 安田淳一監督、山口馬木也主演のコメディ時代劇。自主制作映画ながら驚異の人気を誇っており、2018年に大ヒットした自主製作映画『カメラを止めるな!』から「第二の『カメ止め』」とも呼ばれています。

8月17日の公開初日は東京の池袋シネマ・ロサのみの単館上映でしたが、10月14日現在、公開決定は251館にまで拡大しています。

あらすじ・内容

時は幕末。会津藩士の高坂新左衛門は、京都で山形彦九郎の暗殺を命じられる。
しかし、山形との斬り合いの最中、高坂は気づくと見知らぬ町に倒れ込んでいた。

なんと高坂が目覚めたのは現代の日本の時代劇ロケの現場。
幕末から140年後の世界に驚く高坂。そして、高坂はひょんなことから時代劇に斬られ役として出演することに。
その演技を認められたことから、高坂は現代日本で「斬られ役」として新しいキャリアを築いていく。

 

『侍タイムスリッパー』裏話・トリビアまとめ

完成時、預金残高は7000円?!

長編デビュー作『拳銃と目玉焼』の製作費はおよそ750万円、2作目『ごはん』は約400万円ほどだったが、『侍タイムスリッパー』は両作をはるかに上回る2,600万円を費やした。「正直もう大変でした」と苦笑した安田監督は、車を売却して2,000万を自腹で支払い、残りの600万円は補助金でカバー。初号完成時、銀行口座の残高はわずか7,000円だった。

出典:製作費2,000万円は自腹!たった1館から大バズり『侍タイムスリッパー』安田淳一監督が振り返る“崖っぷち”の映画製作|シネマトゥデイ

劇中のおにぎりは安田監督自身の作ったお米

劇中で山口馬木也演じる高坂新左衛門が現代にタイムスリップしてはじめて白米のおにぎりを食べて感動するシーンがありますが、ここで出されたおにぎりは安田監督自身の作ったお米でつくられたもの。
安田監督は映画監督の傍ら、米農家も営まれており、監督の前作『ごはん』にはその思い入れが詰まっています。

最後のセリフ「今日がその日ではない」はアドリブ

『侍タイムスリッパー』のラスト、風見が新左衛門に優子になぜ思いを伝えないのかと言われた時のセリフはまさかのアドリブだったそうです。以下は映画秘宝のnoteより、役を演じた山口馬木也のインタビュー。

――真剣での勝負を終えた新左衛門と風見が「今日がその日ではない」と語るシーンが感動的でした。そのあと風見にヒロインの優子のことでからかわれた新左衛門がしどろもどろで同じ台詞を言うのもおかしかったのですが、安田監督が言うには二度目の台詞は山口さんのアドリブだったとお聞きしました。
山口 僕の記憶では事前に「アドリブしよう」と考えていたわけではなくて、自分でも思わず口に出てしまったんです。優子さんに頬を叩かれて居た堪れなくなったうえに、風見にからかわれて、新左衛門としてはその場から逃げたくなって、あの言葉が出てきたんだと思います。計算ではないですよ。

出典:「新左衛門は周りの人たちによって作られたものです」『侍タイムスリッパー』主演・高坂新左衛門役山口馬木也さんインタビュー|映画秘宝公式note

『カメラを止めるな』からの影響

『侍タイムスリッパー』は第二の『カメラを止めるな』とも言われていますが、安田監督によると製作段階から『カメラを止めるな』の影響は強くあったそうです。

「カメ止め」は何が面白いんだろうと思って勉強してみたんですが、あの作品は前半37分でまかれた伏線を、後半でどんどん回収して爆笑をかっさらう。今まで見たこともないような構造がものすごく特殊だし、発明だなと思ったんです。そんな時、お侍さんが現在にタイムスリップしてくるというテレビのCMを見て、「ごはん」にも出ていただいた福本清三さんを思い浮かべました。タイムスリップした侍が、斬られ役を目指すという話だったら面白そうだなと思ったわけです。その時は普通の面白いだけのストーリーだったんですが、そこでお客さまが笑えるようなやつにしなきゃあかんなと思って。脚本を書く段階で、笑いの要素とクライマックス感を足していったという感じです。

出典:侍タイムスリッパー インタビュー: 【職業は映画監督と米農家】「侍タイムスリッパー」安田淳一監督、預金残高7000円になっても譲らぬ矜持 – 映画.com

実際に助監督も務めた沙倉ゆうの

沙倉ゆうの演じる山本優子は時代劇の助監督という役どころですが、『侍タイムスリッパー』では沙倉ゆうの自身も女優のほかに助監督としても働いていました。

沙倉:ただ単に、本当に助監督役で助監督してたら面白いんちゃうかっていう軽いノリから始まったんです。でも実際本当に10人足らずのスタッフで撮っていたので、最初は自分の撮影シーンがない日はスタッフをやりますっていう状態で入ったんですけど、それじゃ本当に手が回らなくて。直前までスタッフの仕事をしていて、その後すぐ出番だからって、そのまま汗だくでカメラの前に立つような状態でした。

安田監督:軽いノリっていうのは僕が言ったことで、彼女はノリで始めたわけじゃないんですよ。僕は助監督役で助監督をやってたら面白いなと思ったし、それやったらどうせ人が足りないのはわかってたんで、彼女にもいろいろ手伝ってほしいなと。自分の出番のある日だけ来るんやったら、ついでに助監督もやったらその分のギャラも発生するし、映画全般のことをわかっている人が僕以外にもう1人欲しいなと思ったんで、「ちょっとやってください」って言ったら、「う~ん……いいよ」って。たぶん「あ、ギャラ倍になるな」って計算したと思うんですけど(笑)。

沙倉:頭の中でパチパチパチっとソロバンをはじいて(笑)。

出典:『カメ止め』再来の呼び声高い『侍タイムスリッパー』の魅力に迫る! 安田淳一監督&ヒロイン・沙倉ゆうのを直撃 – 1ページ目 – 映画 – インタビュー |クランクイン!

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