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【未練?】「ロスト・ワールド」から滲むスピルバーグのゴジラ愛

1998年に公開されたローランド・エメリッヒ監督の『GODZILLA』。
みなさんは覚えていますか?

2014年に公開された、ギャレス・エドワーズの『GODZILLA ゴジラ』が高評価を獲得したのとは対照的に、第19回ゴールデンラズベリー賞では最低リメイク賞を受賞するなど評価は芳しいものではありませんでした。

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『GODZILLA』の監督を打診されたスティーブン・スピルバーグ

当初、『GODZILLA』の監督を打診されたのはティム・バートンやヤン・デ・ボン、そしてスティーブン・スピルバーグなどがいました。

スティーブン・スピルバーグにとって「ゴジラ」は幼少期に観て衝撃を受けた映画だといいます。
当時の怪獣映画と言えば、人形を1コマずつ撮影していく、ストップモーション・アニメーションと呼ばれる撮影方法が主流でした。
代表的なものが1933年に公開された以下の「キングコング」。『ゴジラ』の特撮にもかかわった、特殊撮影技術の第一人者で「特撮の神様」とまで言われた円谷英二は本作を観て特撮監督の道を志したと言われています。

しかし日本の『ゴジラ』の場合それだと予算がかかりすぎるということで、着ぐるみ方式になりました。
そして、その方法は怪獣のうごきに今までにない滑らかさを与えることに成功しました。
スピルバーグは『ゴジラ』を観た時に『どうやってあんなに滑らかに動くのかわからなかった』とその衝撃を語っています。
それほどスピルバーグに強い影響を与えた『ゴジラ』。
当然オファーを聞いても、気軽に引き受けられるものでもなく、加えてその頃スピルバーグは『ジュラシック・パーク』の製作途中でもありました。

『ジュラシック・パーク』

結局スピルバーグは『ジュラシック・パークをやったから』という理由でハリウッド版のゴジラの監督を断ります。

しかし、その本心はオリジナルを汚したくないというリスペクトの気持ち。
のちに監督を努めることになるローランド・エメリッヒにも『やめておけ』と助言したそうです。

一方でスティーブン・スピルバーグの中にはゴジラへの未練もあったのではないか?というのが個人的な見解です。
ジュラシック・パークの続編にあたる『ロスト・ワールド』ではマイケル・クライトンの原作にはない、市街地で暴れまわるティラノザウルスの姿がえがかれています。

ロスト・ワールド

生命倫理を問いかけた哲学的な内容だった前作とは違い、パニック映画としての色合いを濃くした『ロストワールド』には酷評が集まりましたが、『ロストワールド』にはスピルバーグのゴジラへの憧れが反映されているように思えてなりません。

前述の市街地で暴れまわるティラノサウルス以外にも、その前のサイトBにおいて武器を持っているハンターのほとんどが反撃もせずただティラノサウルスから逃げ回っています。このシーンは『ロストワールド』の矛盾したシーンとして酷評の一因にもなったのですが、確かに銃声はするものの、それが効いている描写はありません。

どうやらこのシーンのティラノサウルスは『恐竜』という動物としてより、『怪獣』というモンスターとして描かれているように感じます。ゴジラにも共通ですが、無敵感が凄い。