「帰ってきたヒトラー」はナチスドイツの総統、アドルフ・ヒトラーが現代のドイツによみがえったら?という「もしも」をテーマにしたコメディ。
監督はデヴィット・ヴェント、主演はオリヴァー・マスッチが務めています。
ドイツでベストセラーになった同名の風刺小説(「帰ってきたヒトラー」ティムール・ヴェルメシュ著)を原作にしています。
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「帰ってきたヒトラー」のスタッフ・キャスト
監督
デヴィット・ヴェント
脚本
デヴィット・ヴェント
原作
ティムール・ヴェルメシュ
製作
ラース・ディートリヒ
クリストフ・マーラー
製作総指揮
オリヴァー・バーベン
マルティン・モスコヴィッツ
出演者
オリヴァー・マスッチ
ファビアン・ブッシュ
カッチャ・リーマン
クリストフ・マリア・ヘルプスト
フランツィスカ・ウルフ
「帰ってきたヒトラー」のあらすじ
1945年のドイツ・ベルリン。自殺する直前のヒトラーは気が付くと2014年のドイツにいた。キオスクのご主人に助けられたヒトラーはそのままキオスクに居候。
その頃テレビ会社「My TV」をクビになったザヴァツキは起死回生のネタとして、以前撮った動画に写っているヒトラーらしき男に接触を図る。自身をあくまでヒトラーとしてふるまうヒトラーと、その様を秀逸なコメディアンの芸の一環として解釈する周りの人々。
ヒトラーとともに旅をする動画をお土産にザヴァツキはテレビ会社に復職しヒトラーはあっという間にTVやYouTubeで人気者になるが、中々素性を表さないヒトラーに、ザヴァツキは「彼は本物のヒトラーではないか?」と疑惑を深めていく。
感想・レビュー
ヒトラーに共感する人が多数登場!?
作りは半分ドキュメンタリーだけど、劇中突然現れたヒトラーに共感する人があれだけ多いのは驚きましたね。
※実際は襲われることも考えてボディガードも配置していたみたいですが、実際はそのようなことはほとんどなかったそうです。
それがいいかどうかは別として、「毒を以て毒を制す」、強権的なリーダーシップが求められているのは一つの事実化もしれません。
そして、今なおホロコーストの犠牲者には突然現れたヒトラーへの憎悪を露にする人もいます。
良くも悪くも「時代の移り変わり」を感じました。
史実のヒトラーと民主主義
実際にもヒトラーは独裁者の象徴みたいなイメージですが、選出の過程は民主主義に則ったものです。
もちろん、権力を握った後は独裁体制に一気に突き進みましたが。。。
トランプも排外的な言動は多くのセレブ・メディアに忌み嫌われましたが、ふたを開けてみれば選挙で勝っているし、人種や国家を超えたつながりは幻想だろうか?と映画を見ながら思いました。
EUも結局バラバラになってしまうだろうしなぁ。。。
しかしそれとは反対に国家の本質とは「交わらないものを区別」することではないのか?
などの疑問が浮かびます。
おっ!気づいてくれた!
さて、肝心の映画ですが原作と比べるとドキュメンタリータッチが強く、誰一人ヒトラーを本物とは思わなかった原作より、監督の思いや作家性が強く出ているように思いました。
ネタバレになりますが、ザヴァツキがヒトラーがモノマネ芸人ではなく本物の「アドルフ・ヒトラー」だと確信するあたりは原作ファンの痒い所に手を伸ばしてくれたというところでしょうか。
(もちろんそのあとの展開は皮肉に満ちていますが。。)
日本でも排外主義の動きはヘイトスピーチなどに現われていますが、人種のみでその人を判断してしまうのはある意味危ういことだなと感じます。
ちなみに最近外出すると大体道を聞かれますが、中韓の人たちの方が話してて気持ちいい対応なのです。
日本人の中にはイラっとする無礼な人もいます。。。