綿矢りさ原作「勝手にふるえてろ」の映画化作品。主演は本作が映画初主演となる松岡茉優。
恋愛系のそれも邦画って僕は映画館で観たことなくて、正直どうなんだろうとは思ってたんです。きちんと劇場でも楽しめるのか?と。
結論からいくと杞憂でした。
めちゃくちゃ面白かった!(感想箇所からネタバレありです)
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「勝手にふるえてろ」の予告編
「勝手にふるえてろ」のスタッフ・キャスト
監督
大九明子
脚本
大九明子
原作
綿矢りさ「勝手にふるえてろ」
製作
横井正彦
堀義貴
水野道訓
小西啓介
歴東皓
宮崎伸夫
本丸勝也
製作総指揮
福嶋更一郎
津嶋敬介
出演者
松岡茉優
北村匠海(DISH//)
渡辺大知(黒猫チェルシー)
石橋杏奈
趣里
前野朋哉
古舘寛治
片桐はいり
「勝手にふるえてろ」のあらすじ
早朝のハンバーガーショップにて。
金髪店員に向かって語りかける江藤良香(ヨシカ/松岡茉優)、24歳。趣味は絶滅した動物をネットで調べること。購入したアンモナイトの化石を愛でる毎日。
「本能のままにイチと結婚しても絶対幸せになれない。結婚式当日もイチが心変わりしないようにって、野蛮に監視役続けてなくちゃならない、そんなんで幸せなんて味わえるかよ。その点ニならまるでひと事みたいにお式堪能できちゃう。ドレスのままチャペルから何だか知らんが丘駆け下りてわがままにニのこと放ったらかして、波と戯れたりデコルテあらわなドレスで肩上下させてハーハーしたりして花嫁タイムをエンジョイできちゃう」そう、ヨシカには彼氏が2人いる―――
1人は中学時代からの片思い相手 イチ(北村匠海)同級生からマスコット扱いされ、いじられているのを教室の片隅から見つめることしかできなかった相手。好きだから見たい、見たいけど気づかれちゃダメという屈折した感情から、視野の端でイチを見る”視野見”という攻略法を編み出し、イチをモチーフに漫画を描くほど恋心はこじれていた。
10年前の運動会で言われた一言が、今も胸に残っている。「こっち見て、俺を見て」もう1人は同じ会社の営業として働く同期 二(渡辺大地)
経理と営業として出会い、同期会という名の飲み会で連絡先を交換した。正確には少々強引に交換させられた。テクノの流れるクラブでのデートの後、酔っ払ったニから「俺と付き合ってください」と本気の告白をされる。
「人生初、告られた!」とテンションが急上昇するも、正直タイプではない。ある夜、電気ストーブが布団に引火するというボヤ騒ぎを起こし、死ぬ前にせめてもう一度イチに会いたいと覚悟が固まる。
「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこうと思ったんです」
そこからヨシカは、アメリカに転校した同級生の名を騙って同窓会を計画。ニとのデートも上の空。
そして、ついに待ちに待ったイチとの再会の日が訪れるが、会話に全然入っていけないヨシカ。イチを含む上京組のグループになんとか加わり、ニが使った強引すぎる方法で無理やり連絡先を交換、東京で再び会う約束をとりつける。2度目の再会。夜明けのベランダでアンモナイトの生態で盛り上がるヨシカとイチ。
「あの頃に君と友達になりたかったな」
しかし、次にイチの口から発せられたのは、衝撃の一言だった・・・
出典:http://furuetero-movie.com/intro_story/
映画『勝手にふるえてろ』公式サイト
感想・レビュー
松岡茉優ちゃんがウルトラキュート!
松岡茉優ちゃん、超かわいい!
もともと他のレビューサイトでも松岡茉優ちゃんがかわいいっていうのはみてたんですよね。人からみたらちょっと内気で、でもおしゃれで、好きなことにはおしゃべりで、、、、
今まで「好きなタイプは?」と言われたら麻生久美子さん!と答えていたのですが、
今日からは松岡茉優ちゃん!と答えます(笑)。
コミュ障。。。
コミュ障なんて言葉がありますが、まぁ最初から人間関係を滑らかに作れるひとと、そうでない人がいて、松岡ちゃん演じる良香は今回後者の方。
だから自分からはよっぽどのことがないと自分以外の世界に合わせようとしないし、逆に自分の世界にズケズケ入ってこられても戸惑ってしまう、そんなタイプ。
でも今こんなタイプのひと多いんじゃないかな?
まぁ表面は楽しそうに見えていても実際は苦痛でしかないとかもよくありますからね
(良香の脳内彼氏のイチはこっちのパターン。)
良香は一言で言ってしまうとオタク系のこじらせ系。「世間ってこんなもんだよね」って多分一般的な共通認識として誰しもある程度もってると思うんですよ。
だからこそ、会話の中で誰かの話に共感できたりとか、わかるなぁって場面が年を経るごとに増えていくんだと思うんですが、良香の場合、「世間ってこんなもんだよね」っていう共通認識がちょっとまだできていない部分があって、極端な思い込みや暴走に走ってしまいます。
その喜怒哀楽の表現を色彩豊かに表現してくれたので、それがポジティブな感情の時は天真爛漫に見えてとてもキュートなのです。
(でも現実にあんだけカワイイ同級生がいたら、名前覚えてないとかありえんだろ!)
名前
今作で大きな意味を持つのが「名前」。
イチとの二度目の再開の時、良香はイチが自分の名前をおぼえてくれていなかったことにショックをうけ、自分の部屋で泣き崩れます。胸が苦しくなるこのシーンなのですが、
逆に良香はと言うと、周囲の人達に自分独自のニックネームを付け、彼らの本名を覚えようとはしません。
イチには自分自身=「江藤良香」を認識してほしかったのに、自分は自分がつけたニックネーム=その人自身よりも、自分の世界(人生)の登場人物として、わかりやすい記号としてニックネームを付けているに過ぎない。
思う相手にはきちんと自分自身の認識を求めるけれど、自分はそれ以外の相手に対して相手そのものに向き合おうとはしない、良香。
この作品において名前は「アイデンティティ」なのです。
だからこそ名前を呼んでくれた二と急接近することになるのですね。
意外と世間は
良香もイチとの件を経て、相手をきちんと理解し、認めようとします。
それが掃除のおばさんに話しかけるシーン。
「いつも掃除してくれてありがとうございます」
それに対しておばさんは少し怪訝そうな顔をするだけ。
自分から他人に向かって行っても意外と世間はこんなもの。
言ってしまえば「こんな人もいるよね」、と言うだけなんですが、
このことが良香の考えに暗い影響を及ぼします。
前半と後半
前半は妄想全開の楽しい良香、後半は孤独に悩み、暴走していく良香。
DMCバリの「ふぁ~っく!」連呼シーンには笑いました。
告られた!ってテンション有頂天になる松岡茉優ちゃんがすごくステキ。
(500日のサマ―でサマーの家から出てきたトムを思い出しました。)