まだこれレビュー書いてなかったのか。。とっくに書いたと思ってました。
トラウマ映画リスとには入れてなかったんですが、これもトラウマっちゃトラウマ映画ですね。
感動作みたいな予告編流しやがって!!!泣
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「アイ・アム・レジェンド」のスタッフ・キャスト
監督
フランシス・ローレンス
脚本
マーク・プロトセヴィッチ
アキヴァ・ゴールズマン
原作
リチャード・マシスン
『地球最後の男』
製作
アキヴァ・ゴールズマン
デヴィッド・ハイマン
ジェームズ・ラシター
ニール・H・モリッツ
アーウィン・ストッフ
製作総指揮
マイケル・タドロス
アーウィン・ストフ
デイナ・ゴールドバーグ
ブルース・バーマン
出演者
ウィル・スミス
サリー・リチャードソン
アリシー・ブラガ
ダッシュ・ミホク
チャーリー・ターハーン
「アイ・アム・レジェンド」のあらすじ
誰もいないニューヨークに車を走らせ、動物園から脱走し野生化したインパラに狙いをつける男。彼の名はロバート・ネビル。元米国陸軍中佐かつ科学者で、がんの特効薬がもとで生まれた「クリピン・ウイルス」が唯一効かない、「地球で最後の人間」であった。
当初、クリピン・ウイルスはアリス・クリピン博士によって開発されたガンの治療薬でしたが、投薬された人の半数が死亡、残りが狂犬病に似た症状に感染する死のウイルス、「クリピン・ウイルス」に変質していたのでした。
感染源となったニューヨークからクルピンウイルスは空気感染で世界中に爆発的に広まっていきました。
感想・レビュー
地球上に誰もいない世界。そんな環境を孤独という戦いながら愛犬と日々を生き抜くサバイバル・ムービー!
みたいな予告編だったけど、実際にはSFホラーみたいな話でした。
驚かせる映画演出・・・苦手です。。。
それも僕が苦手な、ずーーっと静かで突然いきなり驚かせる系のやつ。
ホラーの演出の一つだということは重々承知なのですが、あれは単純に突然驚かせてるからうわっ!てなるだけであって、純粋な恐怖とはまた違うような。。
これ、別の記事できちんと考察してみたいと思います。
さて、話を戻しますね。
『もしも』の未来
そうそう、それでその『人間がいなくなった世界』はどうなんだろう?っていうのの興味があったんですよ。
例えば『人が消えた地球、200年後にはビルが倒壊してしまい、1000年後には人工物のほとんどが土に還る』とか。たまにテレビとか、ネットとかで見ますよね?こういうの。
そういう『もしも』の未来の予想はとても好きなんです。それ系と思ってたのにホラーかよっていう。。なんで怖いんだよーーーー!!!泣
リチャード・マシスン
さて、そんなで公開当時は知らなかったことですが、実はリチャード・マシスンが1954年に刊行した『アイ・アム・レジェンド』が本作の原作なのです。
もはやSF小説の古典中の古典と言えるのではないでしょうか?
これまでに今回のウィル・スミス主演の『アイ・アム・レジェンド』含めて3回映画化されていて、今日のゾンビ映画にも大きな影響を与えている小説です。
この原作における大きなポイントは価値観の逆転。
価値観の逆転
映画の別エンディングでもそうなのですが、それまで怪物退治もしくは怪物化した彼らを人間に戻そうとしているのがそれまでのネビルであり、僕たちもネビルをそう見ています。
しかし、怪物だと思っていた(ここでは劇場版に則ってダーク・シーカーズとします)彼らにも実は社会性があり、恋人もいて、感情もあることがわかります。
どう例えれば良いのかな。。例えばシマウマがある時一匹を残して全員天敵のライオンになった、とでも言うのか、とにかく、ライオンはシマウマを襲うけれども、ライオンにはライオンで群れを作り社会的な生活をしているわけですよ。
でもネビルはそれに気づいていないんですね。
ダーク・シーカーズからみれば、ネビルはシマウマでありながら自分たちライオンを殺しまくり、果ては生物実験までしている恐ろしい伝説の怪物なわけです。
別エンディングでも、戦いのはてにネビルはその事実に気づき、人間に戻りつつあった女性のダーク・シーカーをダーク・シーカーの状態に戻して、彼女の仲間に引き渡します。
その時にネビルはダーク・シーカーズのボスに『すまなかった』と伝えます。
ネビルの後ろにはこれまでに人間へ戻す治療(実験)の結果命を落とした幾人ものダーク・シーカーズの写真がありました。
公開版はネビルが治療のための血清作成に成功し、ダーク・シーカーズを道連れに自爆するという、英雄的に描かれるエンディングでした。
アメリカと映画の中身
僕は別エンディングの方が好きなのですが、公開版は公開の一ヶ月前に急遽差し替えられたもの。
別エンディングの試写の反応が良くなかったらしいんですね。
ある意味では別エンディングは自己のアイデンティティさえ揺るがすようなものなわけで、イラク戦争の総括に揺れていた当時のアメリカでは受け入れられづらかったのでしょう。
ちなみにこの『アイ・アム・レジェンド』、ウィル・スミス抜きでのリブートが計画されているようです。
その時はきちんと価値観の逆転をえがいてほしいなあと思います。