まぁよくある映画の
コピーがあるじゃないですか。感動とか、泣ける!とか。
今回はそんな『感動作』についてのお話。
あくまで個人的な考えなのでいつものことながら悪しからず。
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『人が死ぬ=感動』の図式
さて、『タイタニック』『私の中のあなた』『アイ・アム・レジェンド』『アルマゲドン』ちょっと思い付いた順にいくつかあげさせてもらいましたが、主人公が最後に亡くなる、まぁいわゆる感動系の映画ですね。
もちろんいい作品ではあるのですが、観ている私たちの感情が揺さぶられるピークは主人公が亡くなるシーンではないでしょうか。
これは凄くデリケートなことかもしれませんが、逆に考えると『人が死ぬ=感動』の図式に僕たちは囚われているのではないか?と思います。
『ネバーランド』の感動
例えば『ネバーランド』。ジョニー・デップ演じるジェームズ・バリと、ケイト・ウィンスレット演じるシルビア・デイヴィズとその子供たちのデイヴィズ一家の物語です。
こちらも最終的にはケイト・ウィンスレット亡くなっちゃうんですが、感動のピークは死ぬときではないんです。むしろ死そのものは描かれていなくて、淡々と描写されます。むしろ彼女が生きていたときに、ネバーランドという極上のファンタジーの世界に足を踏み入れるシーンこそ、もっとも感動的なシーンであったと思います。
感動系の映画たち
対して、『タイタニック』『私の中のあなた』『アルマゲドン』などのいずれも主人公が最後に亡くなる、いわゆる感動系の映画たち。
確かにその別れのシーンはそれぞれにとても良いシーンなのですが、それを安易に感動と呼んでしまうのはどうなのかなぁ?と思います。
「感動」とは?
goo辞書で「感動」の意味を調べると
ある物事に深い感銘を受けて強く心を動かされること。
出典:https://dictionary.goo.ne.jp/jn/49799/meaning/m0u/%E6%84%9F%E9%8A%98/
感動(かんどう)の意味 – goo国語辞書
ちなみに感銘とは
忘れられないほど深く感じること。心に深く刻みつけて忘れないこと。
出典:https://dictionary.goo.ne.jp/jn/49203/meaning/m0u/%E6%84%9F%E5%8B%95/
感銘/肝銘(かんめい)の意味 – goo国語辞書
繋げると
ある物事が心に深く刻みつけて感じられ、強く心を動かされること。
このことからは登場人物が亡くなることも感動の定義に適うような印象を受けますね。
もちろん私たちの人生にとっても「死」は最も大きい出来事です。当然心に深く刻みつけられます。
しかし、その大きすぎる出来事の衝撃を借りて、それを安易に「感動」にすり替えてしまうのはどうでしょうか。
例えば『ロッキー』のように倒れても倒れても、立ち上がる、そんな勇気に心動かされるのは紛れもなく「感動」だと思うんです。
他にも『エリン・ブロコビッチ』や『ダラス・バイヤーズ・クラブ』のように不利な状況であっても懸命に抗い戦う姿に心を動かされます。
映画の中でも登場人物が亡くなるのは悲しいものです。しかし、それを「感動」材料にされてしまうと、見ようによってはなんだか『人の死』を心待ちにしているようで。。。やはりどこかそれは不健全ですよね。
あなたはどう思いますか?