【映画レビュー】ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ


ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]

ジョン・キャメロン・ミッチェルが原作・脚本・監督・主演と何足ものわらじを履いている
作品。
「ロッキーホラーショー」同様、ロック・ミュージカルの映画化となります。

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「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のスタッフ・キャスト

監督
ジョン・キャメロン・ミッチェル

脚本
ジョン・キャメロン・ミッチェル

原作
ジョン・キャメロン・ミッチェル
スティーヴン・トラスク

製作
クリスティン・ヴェイコン
ケイティ・ルーメル
パメラ・コフラー

製作総指揮
マイケル・デ・ルカ
エイミー・ヘンケルズ
マーク・タスク

出演者
ジョン・キャメロン・ミッチェル
スティーヴン・トラスク
ミリアム・ショア
マイケル・ピット

感想・レビュー

一度見て途中で挫折した映画ですが5年ぶりに見返してみました。

内容は。。。よくわからない笑

元恋人でロックスターのトミーを追いかけてトミーの公演会場のそばで自身のバンド、アングリー・インチを率いてライブを行うヘドウィグ。
前半はストーリーらしいストーリーはそうなく、各会場(会場らしい会場もないですが)で演奏される曲の中の歌詞でヘドウィグの半生を知ってゆくという感じですね。

正直、前半退屈でした。演奏される曲の中で唯一「アングリーインチ」だけは良かったかなぁという感じ。

「ファントム・オブ・パラダイス」や「スパイナルタップ」もそうでしたがロックの曲調が古いんだもの。。。
(歌詞がダサいのはあれは日本語訳のせいなのか、そもそも日本語と英語のニュアンスが違うのか。。。)

ちなみに僕が好きなロックの曲調はこちらをみてもらえるとわかるかと思います。
【サントラ】音楽もカッコいい映画(ヘヴィ・モダンロック系)

さて、後半はヘドウィグがトミーと再会しての話ですが今度は今度で展開が唐突。。。
ヘドウィグがトミーと依然の関係に戻りかけるんですが、そのとたんに事故。

スキャンダルの女王のごとくマスコミの寵児となるヘドウィグですが、何故かトミーの格好をしている。
最終的にはイメージシーンではあるものの、裸でウィッグもとり、素の状態でトミーと向き合っている。

ここからは完全に個人的な推測の範囲ですが、結局のところ、男女のジェンダーや、憧れ、嫉妬などからも解き放たれて「自分らしくあること、自己に忠実であること」を賛歌する、そんなメッセージにたどり着く作品ではないだろうかと思っています。裸でウィッグもとり、素の状態になったヘドウィグはそれまで自身をある意味では縛り続けていたトミーという存在からも自由になっているように感じます。

しかしトミーよ。。。触る前に男だと気づけよ!!
ジョン・キャメロン・ミッチェルが女装した「ヘドウィグ」の見た目ですが、「メカニカル・アニマルズ」のころのマリリン・マンソンレベルです。。

もとはオフ・ブロードウェイのミュージカルを映画化した本作。ジョン・キャメロン・ミッチェルは「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」について以下のように語っています。

「ヘドウィグは分身というよりも、子どものようでもあり、別れた妻のようでもあるかな。その存在に責任を持たなきゃいけないし、ときにイラッとさせられるという意味でね(笑)。自伝的要素もあるけれど起きたことそのものよりも気持ちのうえで近い。僕は彼女のように急に暴力にさらされたり、性転換手術を無理矢理受けさせられたりするようなことはなかった。でも彼女が常に感じている、自分の居場所がなくて、碇(いかり)を下ろせず漂っている感覚や、人とのつながりを求める感覚は共通している」

出典:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171207-00000057-sasahi-movi
「アメリカにもパンクが必要だ」新作映画に込めた願い ジョン・キャメロン・ミッチェル監督が語る〈AERA〉 (AERA dot.) – Yahoo!ニュース

こうしてみると、へドウィグが本当に求めていたのはトミーではなく、ありのままの自分を受け入れてくれる、安心できる場所だったのかと思います。それが前述の何もかもから解き放たれた状態なのかもしれません。

ちなみに2011年にロックバンドの黒夢が『CORKSCREW』以来、約13年振りに発売したアルバム、「Headache and Dub Reel Inch」はこの作品のタイトルのもじりとなっています。
(清春によると「ダジャレっぽくしたかった。特に意味はない」とのこと)


【初回生産限定】Headache and Dub Reel Inch(ドキュメンタリーフィルム収録)

こちらも超名盤です

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の受賞歴

サンダンス映画祭 – 最優秀監督賞、最優秀観客賞
ベルリン国際映画祭 – テディ・ベア賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞 – ニュー・ジェネレーション賞
サンフランシスコ国際映画祭 – 最優秀観客賞
シアトル国際映画祭 – 最優秀主演男優賞、他
ドービル映画祭 – グランプリ、最優秀批評家賞、最優秀新人監督賞

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