【感想 レビュー】シークレット・ウインドウ


シークレット・ウインドウ コレクターズ・エディション [DVD]

「シークレット・ウインドウ」は2005年に公開されたサスペンス・ミステリー映画。
スティーブン・キングの小説「秘密の窓」を原作に、監督と脚本をデヴィッド・コープ、主演をジョニー・デップで映画化した作品です。

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「シークレット・ウインドウ」のスタッフ・キャスト

監督
デヴィッド・コープ

脚本
デヴィッド・コープ

製作
ギャヴィン・ポローン

音楽
フィリップ・グラス
ジェフ・ザネリ

撮影
フレッド・マーフィ

編集

ジル・サヴィッテ

製作総指揮
エズラ・スワードロウ

出演者

ジョニー・デップ
ジョン・タトゥーロ
マリア・ベロ
ティモシー・ハットン
チャールズ・S・ダットン

「シークレット・ウインドウ」のあらすじ

売れっ子作家のモート・レイニー(ジョニー・デップ)は、妻との離婚問題が遠因でスランプに陥っていた。そんな彼の前に、「自分の作品を盗まれた」と盗作を告げる謎の男ジョン・シューターが現れる。盗作を世間に公表しろ、と執拗な嫌がらせを受けるうちに、モートは次第に憔悴していく。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88_%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A6
シークレット ウインドウ – Wikipedia



感想・レビュー

奇抜な役が多い印象のジョニー・デップですが、今作では私服のような、普段に近いジョニー・デップを見ることができます。

(実際に劇中でかけているメガネは私物だそう。)

今作でジョニー・デップが愛用しているメガネについてはこちら

監督は脚本家のデヴィッド・コープ。

脚本家としては、『ジュラシック・パーク』や、『ミッション・インポッシブル』、『メン・イン・ブラック2』などを手掛けた実績があります。

最近では『ザ・マミー~呪われた砂漠の王女~』など。

ですが監督作は酷評されることが多いようです。

さて、今作はスティーブン・キングの短編小説『秘密の窓 』の映画化になります。

スティーブン・キングが創作者としての自己をここでも主人公に投影しています。

自身がアルコール依存症に苦しんだ経験をスティーブン・キングは「シャイニング」の主人公ジャック・トランスに反映させました。

今作『シークレット・ウィンドウ』はモートに創作者ゆえの苦しみを投影させています。
それは自分の作品への不安。 オリジナルなものを作ったようでも、もしかしたら無意識に既存の何かを真似てはいないか、そしてそれが誰かに気づかれてはいないか。
それらの恐怖心が孤独な環境で増幅していき、狂気に陥る姿をスティーブン・キングは描いています。

実際にアメリカでは訴訟社会ということもあり、作り上げた作品と似通った既存のアイデアに対しては先回りして手を打っておくというのが慣例でもあるようです。

映画『マトリックス』は押井守監督の『攻殻機動隊』の影響を強く受けていると言われますが、実際に押井守監督が『マトリックス』のウォシャウォスキー兄弟(現代は姉妹)と面談した際には『マトリックス』のアイデアは『攻殻機動隊』より先にあったと当時のデザイン画を見せながら主張してきたとのこと。

またジェームズ・キャメロンの『ターミネーター』も公開後にハーラン・エリスンからアイデアの窃盗で訴えられ、キャメロンはエリスンに80:万ドルの支払いとエンドクレジットにエリスンの名前を入れることで和解しています。

クリエイターにとって、このようなリスクは常につきまとうものでしょう。

『シークレット・ウィンドウ』において、そんなクリエイター達の恐怖を集約させたキャラクターがジョン・タトゥーロ演じるジョン・シューターでした。

ジョニー・デップ演じるモート・レイニーのもとに突然やって来ては「おれの小説を盗んだ」と付きまとう。

タトゥーロは自身の子供たちがスティーブン・キングのファンであったことから、子供達にこの映画への出演を勧められたそうです。

モート・レイニーを狂気へ追い詰めていくジョン・タトゥーロの演技は素晴らしいんですが、作品のオチ自体には残念ながら新鮮味は感じられません。

ジョン・タトゥーロが演じたキャラクターのジョン・シューターはすごくミステリアスで、聡明であたかもすべてを見通すかのような言動でモート・レイニーを翻弄しますが、それだけの強烈なキャラクターのバックボーンを映画の中で説得力をもって伝えられたか?と考えると、ちょっと厳しいかなと感じます。




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