【ネタバレレビュー】「Vフォー・ヴェンデッタ」マスクの下の理念とは

V フォー・ヴェンデッタ [Blu-ray]

「Vフォー・ヴェンデッタ」は2005年に制作されたSFアクション映画。

監督は脚本と制作を「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟(当時)が務めています。

主演は同じく「マトリックス」シリーズでエージェント・スミスを演じていた、ヒューゴ・ウィーヴィング。

全体主義の蔓延する近未来のロンドンを舞台に「V」と名乗る男が自由のために暗躍します。

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「Vフォー・ヴェンデッタ」の予告編

「Vフォー・ヴェンデッタ」のスタッフ・キャスト

監督
ジェームズ・マクティーグ

脚本
ウォシャウスキー兄弟

原作
キャラクター創造
アラン・ムーア(クレジット無し)
デヴィッド・ロイド

製作

ジョエル・シルバー
グラント・ヒル
ウォシャウスキー兄弟

製作総指揮
ベンジャミン・ワイスブレン

出演者

ナタリー・ポートマン
ヒューゴ・ウィーヴィング
スティーヴン・レイ
ジョン・ハート
ティム・ピゴット=スミス
スティーヴン・フライ

「Vフォー・ヴェンデッタ」のあらすじ

第三次世界大戦後。かつてのアメリカは崩壊し、世界の覇権を握ったイングランドが舞台。
イギリスではサトラー議長を頂点とする独裁政治、恐怖政治が蔓延していた。

テレビ局に勤めるイーヴィーはある夜外出禁止令を無視して外出しているのを秘密警察ザ・フィンガーの構成員フィンガーマンに見つかってしまう。
危うく乱暴されそうになるイーヴィーだったが、「V」と名乗る仮面の男に助けられる。



感想・レビュー

エージェント・スミス、今度はいい人

カッコいいですねー。「マトリックス」では悪役のエージェント・スミスを演じていた、ヒューゴ・ウィーヴィングが一転してヒーローを好演しています。
(とは言ってもアンチ・ヒーロー的ではありますね。)

超人的でありますが決して超人ではない、撃たれりゃ血も出るし、愛する人に自分自身をさらけ出せない弱さをもった「一人の人間」としての描かれ方もなされています。

ただ、自分の目的と復讐(ヴェンデッタ)のために突き進んでいく。

紳士的でありながら、常に仮面に顔を隠し、影のなかに身を潜め、亡霊のように標的の前に現れるその様はさながらオペラ座の怪人のようにも思えます。

仮面をとらない、ということで演じるヒューゴ・ウィーヴィングは終始素顔を見せない役に挑むわけで、演者も凄いなと。

ちなみに仮面を被っているためどうしても声がこもってしまうとのことでセリフはほとんどアフレコとのことです。
Vの仮面がガイ・フォークス(※)の仮面で、そのチョイス一つにしても彼の理念や美学を強烈に感じ取ることができます。
※火薬陰謀事件の実行責任者として知られる人物。陰謀が発覚した日はイギリスの記念日(ガイ・フォークス・ナイト)となっています。また、英語で「男、奴」を意味する「ガイ(guy)」は、彼の名に由来しています。

ナタリー・ポートマンも坊主にしていますし、みんな頑張ってる映画。

美学を貫くカッコよさ

アクションもすごくかっこいい映画なのですが、やはりこの映画の最大の魅力はVの信念、美学を貫くカッコよさに尽きます。
まず自己紹介の際のセリフ。「V」にとてもこだわるVらしい、最高にクールな自己紹介です。

V: Voilà! In view, a humble vaudevillian veteran, cast vicariously as both victim and villain by the vicissitudes of Fate. This visage, no mere veneer of vanity, is a vestige of the vox populi, now vacant, vanished.
However, this valorous visitation of a by-gone vexation, stands vivified and has vowed to vanquish these venal and virulent vermin vanguarding vice and vouchsafing the violently vicious and voracious violation of volition.
The only verdict is vengeance; a vendetta, held as a votive, not in vain, for the value and veracity of such shall one day vindicate the vigilant and the virtuous.
Verily, this vichyssoise of verbiage veers most verbose, so let me simply add that it’s my very good honor to meet you and you may call me V.
(では!ご覧の姿は道化師のもの。時に弱き物を、また、時に悪しき物を演じることも。
仮面はただの虚飾にあらず。もはや素顔をさらして歩ける世界ではないゆえだ。
しかし、この厄介者が再び姿を現したのは、世の悪を正すため、この腐った世界にうごめくウジ虫を掃除する、そのために。
そう、これは “血の復讐(ヴェンデッタ)” だ。復讐の誓いは今も生きている。悪を断ち切り、自由をもたらすために。
少々長い自己紹介になったようだ。要するに、簡単に”V”と呼んでいただければ結構だ。 )

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