【映画レビュー】武士の一分


武士の一分 [Blu-ray]

山田洋次監督、木村拓哉主演作。

スポンサーリンク

「武士の一分」のスタッフ・キャスト

監督
山田洋次

脚本
山田洋次
平松恵美子
山本一郎

製作
久松猛朗
製作総指揮
迫本淳一

音楽
冨田勲

出演者
木村拓哉
檀れい
笹野高史
坂東三津五郎

「武士の一分」のあらすじ

藩主の毒見役を務める侍、三村新之丞はある日毒見で食べたつぶ貝の毒にあたって失明してしまう。家禄の存続が危ぶまれる事態となるが、妻の加世が海坂藩番頭の島田藤弥と顔見知りとわかると、三村家の人間たちは家禄の件を取り直してもらうよう、加世に頼み込む。

果たして三村家の家禄は安堵することになったが、その一方で加世と島田が密会しているといううわさが広まる。
中間のに真相を確かめさせた新之丞は加世に事の次第を問いただす。

すると「家禄の保証と引き換えに島田に体を要求された」と答える加世。激怒した新之丞は加世を離縁する。

しかし同僚の加賀山からは「家禄は藩主の温情から与えられたものである」ことを聞かされ、島田が加世を弄ぶために家禄を口実に加世を騙したことを知り、新之丞は自らの「武士の一分」を賭け、島田に果たし合いを挑むことを決意する。

感想・レビュー

木村拓哉の演技がまず素晴らしいです。話題性や人気ではない確かなキャスティング。時代劇らしさを過度に誇張せず、日常を丁寧に描きだしている作品の味わい深さ。
静かな日常の音。決して派手ではないですが、だからこそ、この作品は深く心に染み入ってきます。

そして木村拓哉の演技の上手さ。
「ちょ、待てよ!」に代表されるような少し生意気で我を通す、イケイケなキャラクターが役者:木村拓哉が一般に対して比較的認知されている姿でしょう。
しかし、本当に木村拓哉の魅力が引き出されるのは、本作や「I COME WITH THE RAIN」の時のような少し影がある役柄ではないでしょうか。
特に哀しい目の演技をさせると右に出るものはいないのではないかというくらい上手ですね。

本作でも、光を失ってからの目の動きはとても素晴らしい演技でした。

そして再び小さな幸せがともるラストは、見る人の心にじんわりとした感動を与えてくれるでしょう。
おススメです。

さて、この映画のすばらしさを物語るように、本作は多くの賞を獲得しています。

「武士の一分」受賞歴

第30回日本アカデミー賞
優秀作品賞
優秀監督賞
優秀脚本賞
優秀主演女優賞
最優秀助演男優賞
優秀助演女優賞
優秀音楽賞
最優秀撮影賞
優秀美術賞
優秀録音賞
最優秀照明賞
優秀編集賞

第25回ゴールデングロス賞
日本映画部門優秀銀賞

スポンサーリンク
スポンサーリンク